遠謀論

陰謀論という言葉がある。世の中の大きな出来事の背後には、悪意を持った国や企業などの院長があるという考え方だ。サスペンスもののようで面白そうだが、少々幼稚で、思考停止したような説ばかりだ。
そこで逆に「世の国家や企業の企ては、ムダや自己の利益追求ばかりしているように見えるが、まだ効果が現れたないか、見えないところで社会に貢献しているかもしれない」と勘ぐって見るほうが、頭を使うし面白い。陰謀論ならぬ、深慮遠謀の遠謀論である。

例えば、トランプ米大統領の一期目のトンデモ政策である、メキシコ国境の壁も、遠謀論では次のように考える。
まず、長大な壁の完成には膨大な費用がかかるが、実際も作ったのは一部だけで、それほどのコストはかかっていない。不法流入者を減らすには、パトロールの強化や警告看板の設置など、今後ともコストをかけ続けなければならないが、壁のコストは一時的なものだ。

さらに一部分でも壁ができれば、アメリカの本気度合いを印象付けることができ、軽々しい気持ちでの不法越境なら、意思を挫くことができる。なので壁は未完成で通行可能な箇所が多くてもかまわない。今後越境者が増えた際に少しずつ延長して見せれば、そのつど越境の意思を挫くことができる...。なかなかいい遠謀論ができた。

ということで、第二期目のトランプ氏の諸施策も遠謀論で語りたかったのだが、少々手に余る感じだ。もともとトランプ氏はTV番組を持っていて人気があったそうだから、いろいろな仕掛けがあって見た目以上の企みがあるかもしれないが、思い至らない。なにか、深慮遠謀があるといいんだがなあ

米は太る

米の価格が一向に下がらない。調査によれば70~80%の値上げだが、体感では100%の値上げだ。ランク下の銘柄に切り替えた人もいるだろうが、一方、米だけは良いものを食べると宣言する人は多い。こういう人は価格が上昇してもいつもの銘柄を食べ続けている。これは日本人ならではの食文化であって、必ずしも裕福だからグルメだからというわけではない。なので、米業界関係者に、「悲願の米価上昇を消費者が受け入れてくれている」などと考えさせてはいけない。

たぶん、関係者に価格の高さを訴えてもムダだろう。相手はそのへんは織り込み済みで、どんな強烈な言葉で訴えても、集計の1データにされておしまいになる。彼らにとって最も気になる数字は販売量である。これが減ってしまうとすべての米政策は意味がなくなる。不買運動という手もあるが、食文化を捨ててまでやることではない。そこで意識改革で乗り切るのはどうだろう。

まずは「米は太る」という認識を持つ。これは事実である。米中心の伝統的な食生活は太らなくて健康的という説は、誰かさんの流布したミスリードだ。毎日ご飯、わかめと豆腐の味噌汁、めざし、漬物という食事をしているなら確かに太らない。が、米とトンカツ、ハンバーグ、唐揚げ、餃子、ポテトサラダ等々のメニューでも米も食べているから太らないというのは、常識的に考えられない。

節約したいから大量購入するというのも、筋が通っているようで通ってない。逆に10キロ袋で買っていたものを5キロずつにした場合、倍の頻度で「米が少なくなってきた」状況が起こる。そんな時米以外のメニューにすることもあると思うが、その頻度が倍になる。重要なのは米は生鮮食品だということ。玄米での保管ならともかく、精米したものは家庭で消費するペースでも急速に風味が落ちている。また、昔の米びつは木でできていたので通気性があったが、プラスチックの米びつは密閉されているのでいろいろなガスが抜けていかない。小袋にすれば精米したてのおいしい米を食べる機会が増える。

さらに言えば、銘柄を下げて節約するのも良い手ではない。うまい米はそれだけで満足感があるが、味が落ちると下がった満足度を量で満たそうとしてしまう。いつもの通り美味しい米を食べて心を満たしつつ、メタボが気になってた人がこの機会にお代わりを控える、あるいはゆっくりよく噛んで食べるようにする。テレビやスマホを横目にかっこむのではなく、姿勢を正してまず米の輝きや香りを味わい、一口ずつ噛みしめれば、今まで知らなかった米の本当のうまさに開眼するだろう。そうやって自然にセーブした分だけで家計にも健康にも好影響となり、全国的な消費量も違ってくるはずだ。

人間の行動は、数ヶ月間かけないと習慣化しないそうだ。逆に言うと、数ヶ月あれば体に負担をかけていた余分な消費量は削減される。なのでその間「米は太る」と書いた紙を家中に貼ったり、PCやスマホの壁紙にするくらいのことをしてもいいかもしれない。

ということで、スマホ壁紙を作ってみた。ダウンロード大歓迎です。

タイトル画像の話 / テクスチャ

CGで作った物体の表面の素材感を出すために貼り付ける画像をテクスチャという。真っ白い壁として造形したものに、レンガや生い茂ったツタ、板壁などの画像を貼れば、そういう材質の壁に見えてしまう。テクスチャは現物の表面画像そのものだけでなく、どんな画像をはることもできる。

今回はつぼの造形に、壁画や土壁などを貼り付けてみたが、あまり違和感がない。赤っぽいのは火星の表面写真だ。画像としてそれほど面白味はないが、作っていて楽しかったのでアップした。すぐ飽きて取り替えてしまいそうだが。

https://www.gpfarmasi.id/