日経BOOKプラスの「東大のスター教授たちは今、どんな最新技術に注目しているのか」という記事で、新藏礼子氏が病気にかからないようにするのが医学の目的だが、病気にならない薬は保健対象外だと言っていた。具体的には、腸内細菌のバランスは様々な病気の原因になるため、「バランスが狂っていること」自体を病気と認め、健保の対象にしてほしいという。
医師は患者の寿命が分かっているんだろうと感じることがあった。数ヶ月という短期間ではなく、検査数値に出てこないが、患者の体質や生活習慣などを見て、今後何年か後に発症、悪化が予測できているのではないかと思ったのだ。不吉な話だが我々も仕事上で、例えばあの会社は長く続かないだろうとか、この商品は売れないだろうということがわかる場合がある。分かっていても言えないことが多いが、医者も同じで、検査で根拠を示せないので言えないだけのような気がする。医者は検査で何かを発見しているのではなく、将来の病気の傾向が読めるのでその確認の検査をしている。
なので医師のアドバイスは、自分で考えだした「健康ポリシー」などよりよほど貴重だ。それはダイエットや禁煙の勧めのようにありふれたことだったり、ストレス解消のように、ではどうしたらいいんだという事かもしれないが、それが投薬より有効だから言ってるのだと思えば、重く聞かなければならない。
「病気にならない薬」は医師のアドバイスを補完するだけでなく、医療費の負担減も可能にするかも知れない。また、保険制度その他で医師が手を出せないために、消費者が民間療法や健康食品で手探りしている部分に、正しい医学の恩恵をもたらしてくれるかもしれない。

