タイトル画像のはなし / 渓谷と鉄橋

なんとかAIの画像生成をものにしたい。昔ならネット上の画像は無断で使い放題とまではいかないものの、ここ程度の弱小サイトで使っても発見されなかった。おかげで勉強になったが、最近は権利関係がうるさくなる一方なので、背景画像や素材のテクスチャなどをAI生成で調達することにした。そもそも生成AIそのものが権利逃れのために生まれたとしたら、モラル的にどうかとも思うが、そのへんも含めてやってみなければわからない。

渓谷と鉄橋

さて今回は背景の渓谷とオオワシをAIで作り、CGの橋を組み合わせてみたが、あまり気に入っていない。渓谷はそれらしいものが上がってきたが、光の方向や垂直水平の方向が読み取れず、CGを組み込みにくかった。AI作の画像は、本来パースがしっかり読み取れるはずのビルなどでも垂直、水平の線が曖昧になってたりする。AIの特色なのかも知れない。
また、オオワシも納得できない仕上がりだ。橋脚の立つ部分があやふやなので、ワシで隠したかったのだ。現実的に考えればこの程度の川幅なら吊橋にすると思うが、英国の世界遺産「アイアンブリッジ」ふうの橋をかけて、自然とレトロな構造が一体になった後継を描きたかった。が、羽毛の具合が雑然としていて空の王者の風格が感じられない。いつもならこれを習作にして、橋の装飾などに手をかけるのだが、意欲がわかないのでこのまま行くことにした。近いうちに別のものにとりかえると思う。

張り倒す、蹴りつける、ひったくる

路上強盗ではなく、高齢者の動作の話。

張り倒す : 食卓の上の味噌汁を取ろうと手を伸ばし、手前の醤油差しに気づかず倒してしまう。

蹴りつける :前ばかり見て、床の上のものを蹴ってしまう。長年暮らした自宅の敷居に躓いてしまう。後者の場合、人間は最小エネルギーで効率よく動こうとするので、例えば敷居を越えるには、足元を確かめずに「前蹴りの何%の力で足を上げる」というようなプログラムに沿って動く。だが、筋力が弱っているので、足が十分に上がらないということだと思う。

ひったくる :ものを受け取る時に、ひったくるようにしてしまう。若い頃には気が付かないが、人間の腕も何キロかの重さがある。ものを受け取るときには若い時以上に力を込め、両手などで受け取らなかればいけないのに、習慣で片手で受けたりすると重さの分引っ張る形になってしまう。コーヒーなどの熱いものだと危険だ。

さらに悪いことにあわてて醤油差しを戻そうとして、味噌汁を引っ掛けて転がしてしまうというような連鎖反応も。ジョン・ウィックなみの連続アクションが、日々巻き起こる。それがハードボイルドな高齢者の日常なのだ。

アポロとアルテミス

人類を再び月面に送り届ける「アルテミス計画」が、アメリカを中心とする西側国の協力で進行中だ。22年に月の周回軌道を回る無人宇宙船アルテミス1号が発射され、今年4月には同じく周回軌道を回る有人のアルテミス2号が予定されている。

アポロ計画では人類初の月面上陸が目標だったために、平坦で着陸しやすい「静かの海」が選ばれたが、アルテミスは月の南極地点をめざしている。月の南極とは地球から見える月の下の部分だが、アポロに比べて着陸が非常に難しい。太陽光が真横から指すので大きな影ができやすく、空気がないので光が拡散せず影の部分が真の闇になるため、上空からはもちろん近くに寄ってみても地形の凹凸が判断できない。

そんな場所を選ぶ理由は水だ。月南極には一度も太陽光が差したことがなくマイナス200℃にもなる「永久影」の部分があり、砂粒に付着するような形で氷がある可能性がある。これが利用できれば、太陽光発電との併用で居住可能な基地が設営できる。さらにその経験をもとに、火星での居住可能性も見えてくる。

アポロの時はソ連の宇宙開発がプレッシャーになったが、アルテミスでは中国への対抗の意味が大きい。地球の南極の場合は「南極条約」が国家間で結ばれていて、特定国の領土化や軍事利用、資源採掘などが禁止されているが、月の場合は領有は禁止されているが、南極条約ほどの縛りがない。先に施設を作ってしまえば、なし崩しに勢力圏を広げられる余地がある。西側から見れば、中国の動きはそれを狙っているように見える。そして月開発の無秩序がそのまま火星に持ち越まれるかも知れない。

SFでは、地球上で生まれた国家間対立が、銀河系全体に広がってしまった世界がよく登場する。現代社会の分断ぶりを見ていると、あり得ないこととは言えない。アルテミス計画の成否は、遠い未来の人類のあり様が決まる分岐点かもしれない。

人類の叡智を集めた偉大な試みが、ルール無用の早いもの勝ちというのは、少々頭が悪い気もする。