高血圧なので食事の塩分量に気をつけなければならないが、「塩分」とは食塩だけなのかナトリウムなのか、ChatGPTに尋ねてみた。答えはナトリウム。だとすればナトリウムを含む調味料や添加物は、食塩だけではなかったはずだ。真っ先に思いついたのはグルタミン酸。いわゆる化学調味料だが、昆布など自然素材に存在する。工業的な製法でも、原料はサトウキビらしい。
ただしあちこち見て回ると、グルタミン酸という場合とグルタミン酸ナトリウムという場合がある。こういう”煮え切らなさ”を探ってみると面白いことに出くわすのでさらに調べてみた。わかったことは、グルタミン酸とグルタミン酸ナトリウムは別物だということ。化学調味料はグルタミン酸ナトリウムのほうで、ナトリウムなしの「グルタミン酸」は単独では旨味がなく、水に溶けにくい。昆布やトマトの中にある場合は、自然に含まれているナトリウムといっしょに食べるので旨味を感じるのだという。
さらに「アスコルビン酸」についても調べてみた。いわゆるビタミンCであり、酸化防止剤としてさまざまな食品に添加されている。がこれも添加物は「アスコルビン酸ナトリウム」のほうで、ナトリウム化合物になることで機能が高まるらしい。また、アスコルビン酸ナトリウムの場合であっても、成分表などに「ビタミンC」と表記できるという。
このほか、リン酸ナトリウム(加工食品のpH調整剤)、安息香酸ナトリウム(保存料)、ナトリウムメタ重亜硫酸塩(酸化防止剤)など、食品添加物はナトリウム化合物が少なくない。何しろお茶の葉にもグルタミン酸ナトリウムを添加することもあるというのだから、ややこしい時代になったものだと思う。
とはいえ食料自給率の低い日本では、添加物は命の綱。私の好物にも沢山含まれているし、そもそも塩は大好きだ。我慢して刺身醤油を減らしたり味噌汁を薄めているのに、実は追いついていなかったなどということがないよう、「渡る世間はナトリウムだらけ」ということを頭の片隅においておこうと思う。