病気にならない薬

日経BOOKプラスの「東大のスター教授たちは今、どんな最新技術に注目しているのか」という記事で、新藏礼子氏が病気にかからないようにするのが医学の目的だが、病気にならない薬は保健対象外だと言っていた。具体的には、腸内細菌のバランスは様々な病気の原因になるため、「バランスが狂っていること」自体を病気と認め、健保の対象にしてほしいという。

医師は患者の寿命が分かっているんだろうと感じることがあった。数ヶ月という短期間ではなく、検査数値に出てこないが、患者の体質や生活習慣などを見て、今後何年か後に発症、悪化が予測できているのではないかと思ったのだ。不吉な話だが我々も仕事上で、例えばあの会社は長く続かないだろうとか、この商品は売れないだろうということがわかる場合がある。分かっていても言えないことが多いが、医者も同じで、検査で根拠を示せないので言えないだけのような気がする。医者は検査で何かを発見しているのではなく、将来の病気の傾向が読めるのでその確認の検査をしている。

なので医師のアドバイスは、自分で考えだした「健康ポリシー」などよりよほど貴重だ。それはダイエットや禁煙の勧めのようにありふれたことだったり、ストレス解消のように、ではどうしたらいいんだという事かもしれないが、それが投薬より有効だから言ってるのだと思えば、重く聞かなければならない。

「病気にならない薬」は医師のアドバイスを補完するだけでなく、医療費の負担減も可能にするかも知れない。また、保険制度その他で医師が手を出せないために、消費者が民間療法や健康食品で手探りしている部分に、正しい医学の恩恵をもたらしてくれるかもしれない。

タイトル画像の話 / 公園遊具

今回のテーマは公園の遊具。

以前、海外からトレーラハウスのオーダーメイドを受けていた人を、CG制作でサポートしていた。向こうの人は派手好きで、シンプルでシックなデザインは評判が悪い。そこでトレーラーに公園遊具を乗せたイベント用の移動遊園地を提案した。が、私は何しろ子供の時「ご活発」だったので、遊具を造形しながら、ここはよじ登ってしまうとかここに潜り込んで挟まるとか、ご活発な子がやらかしそうな行動がすぐ頭に浮かぶ。自分で作りながらこの形のまま通りませんようにと願っていたものだ。
ちなみに宙返りチューブ滑り台は本作の目玉アイデアで、もちろん中で宙返りするわけではなく、普通にまっすぐのパイプに半ドーナツ部をとりつけたもの。外から見ると、宙返りした子が滑り出て来たように見えて、親も子もびっくりというしかけだ。

フレーバーテキストは良い子にむけた注意書き看板。英語はChatGPTにサポートしてもらった。なかなかブラックで気に入っているが、これが現実に必要という国もあるだろう。

ようこそ、ちいさな友だち

ここでは「ハッピーになる薬」は使いません。
あれは幸せを作るのではなく、前借りするだけだから。

ここに銃は持ち込みません。
問題を解決するのではなく、物語を終わらせるから。

この公園は成長するための場所。
早く消えてしまうための場所ではありません

政府備蓄米

昨年末に政府備蓄米を買った。5kg1980円と流石に安い。袋には「国産備蓄米」と大書してあるほか、精米日は書いてあったが生産年度の表示はなかった。精米は買ったスーパー自身ということになっている。
あれだけ大騒ぎになったのだから、見つけたら絶対に買ったはずだが、店頭で見かけたのは今回初めてである。出回った量そのものがかなり少ない印象だ。平成の米騒動の際は有権者からの要望を待つまでもなくタイから緊急輸入された。あの時できたことがなぜ今できないのか、よくわからない。

米そのものは古いものなのだろうが、精米日が近いので外見上の問題は見当たらない。白化した米粒が多少あるが、これは古いからではなく最初から含まれていたもののはず。高級銘柄を備蓄するはずがないので、もともとこの程度のクオリティだったのだろう。肝心の味は粘りやコシは弱く、さすがに良くはない。

こういう米を見ると、寺で生まれ育った自分は別な感慨がある。よく僧侶には肉食、飲酒、妻帯などの戒律があると言われているが、実際それらは国や宗派、時代、師匠や僧侶の考え方やによって違い、修行時期だけのものだったする。だが、これだけは守らなくてはいけない戒律以前の心得が、「供された食べ物はすべて食べる」ということである。どんなに貧しい家庭の粗末な食器、料理でも、極端な場合は病気かもしれない人からのものでさえも全てだ。
さらに昔は「供米」という風習があった。信徒さんが食べている米の一部を袋に詰めてきたり、農家がその年の収穫を持ってきたするのだが、当時の北海道の米は味が悪かった。さらに不作の年も多く、そんな時は白化だけでなく緑色だったり粒が小さかったりで、味も今の備蓄米のほうがはるかにましだ。新潟県人なら我慢できないが、料理上手なら使いようがあるというところだろう。

若い人に聞くと給与は上がりつつあるが、物価の高騰には追いついていないらしい。若いうちは勉強、教養、デートと、一生に関わることに金がかかる。味は我慢してもらうこととして、備蓄米が若い人が優先的に手に入り、せめて腹一杯に食べられるようにできないかと思った。