Blenderで、昔のサーカス一座のワゴンを作ってみた。現代の自動車はボディを作って4輪を並べれば終わりなので、作っていても張り合いがないが、馬車は作っていくうちに構造がわかってきて面白い。馬車と言っても箱に車軸を通すだけではなく、馬の牽引力が直接前輪の車軸を引っ張るようにできている。そこから更に後輪の車軸につながってシャーシになる。その上には板バネがあり、上部の箱を支える。上部がただの箱なら荷馬車、幌をつければ西部劇の幌馬車、全体を木で作ればサーカスのワゴンとなるが、基本のシャーシの構造は変わらないようだ。
英国国王の戴冠式で使ったような馬車は、貴婦人でもステップを2.3段登れば乗り込めるよう、中央部をうんと下げてある。荷馬車のように前後の車軸をまっすぐつなぐことはできないので、おそらくお椀状にカーブを描く車体全体に頑強な構造が組み込まれているのだろう。初期の自動車は、そういう馬車にエンジンを積み込んだような構造をしている。
どんなマニアックなジャンルも、探せば詳細な情報が手に入るのがインターネットの良いところ。今回は昔の馬車の模型に関する専門サイトを発見した。
https://www.vclco.com/wagons-carts
昔の馬車のクルマは固い鉄を巻いたものでしたが、ゴムタイヤにしたのは自転車等が流行した相当後になってからでしょうね。西部劇に登場する幌馬車など乗り心地は大変だったでしょうね。安いカローラで道東まで往復した時は腰痛になりましたからね。シートも蒸れる素材だったからでしたが、馬車なら剃り状に大変だったのではないでしょうか。
昔の西部劇ではインディアンに襲撃されて馬車で疾走するシーンがありましたが、実際にやったら車内で打撲と傷だらけだったかもしれませんね。カローラよりずっと遅い速度だと思いますが。車で道東往復は私も経験ありますが、きつかったですね。観光客の中には、レンタカーでそれに近い計画を立てる人もいるようですが、今は車も道も良くなったからやれるのかもしれませんね。
前輪は馬が向かう方向に曲がってハンドルの役目を果たすのでしょうね。札幌の観光馬車も最近は見かけませんが、開拓時代の農業用には頑丈な骨格のドサンコが大活躍でしたね。馬車では無くソリですが、今も岩見沢などでは輓馬競争などが盛んですね。馬車がクルマに変身したので、今でもエンジン出力を馬力なんて言われていましたが、しかし今や電気とか水素とか燃料電池とか動力も様変わりしてきましたから馬力も死語になりそうですね。ずっと感じていたのですが、市電も昔に還って馬鉄にすれば観光資源になるのですがね。それには街並みも古き良き札幌が良いのですが、今や札幌は風情の無いビルばかりになってしまいました。
馬の馬具の高さのまま水平に前輪の軸を引っ張らないと、前輪が持ち上がって空回りしてしまうのだ、ということに作っていて気が付きました。馬具と馬車と、両方に高さ調整機能があったかもしれません。西部劇の時代も日本で言えば明治時代にかかっていましたし、鉄道もあったのだから、馬車も案外ハイテクだったのでしょう。昔の建築は豪華でいいですね。最近建ったビルはどれも全面ガラスと鉄骨ですが、よく見るとその奥にコンクリートに殺風景な小さい窓のついた建物がすっぽり隠されています。貧相だなあと思いますね。