ある年を境に、あらゆる生物が消えてしまった海に潜り続け、観測と海藻の再生を試みる、漁業関係者の動画配信である。海藻の芽を食い荒らすウニを一匹ずつ潰して駆除し、いろいろな方法で海藻の種を植え付けて藻場再生への道を探る。
シリアスなテーマである上に季節を問わず数日に1度は潜水するという過酷な活動だが、投稿主のユーモアに満ちたコメントを見ながらの、バーチャルな海中散歩は楽しい。しかも動画を視聴するだけで、わずかでも投稿主を直接応援することになる。動画配信サイトの良い点だ。
自然環境の保護や再生というと、科学者や公的機関の調査団などが行うものと思いがちだが、実際には配信主のように現場で地道な活動を続ける人たちが主役なのだと教えられる。

これはサイト紹介動画だが、サイトには、岩場に居着いて生きる魚や小さな海藻の芽に、顔見知りのように声をかけてまわる動画が多数置いてある。投稿主と一緒に、海底のちょっとした変化に一喜一憂するのは、なかなか新鮮な体験だ。
良いものを教えていただき、早速覗いてみました。SDGsのバッジをつけたがる人達にも見て貰いたいですね。お題目を唱えるだけで如何にも参画して居ると勘違いし過ぎですが、実際の活動とはこのような事ですね。現場です。
テレビなどの水中散歩番組では素通りしてしまうような、小さな藻の芽に喜んだり、なにもない岩が実は食害の結果だと驚いたり、我々の海を見る目も変わってきます。そのうえ本人も、視聴者も楽しいし、見るだけで精神的にも資金的にも支援できる。こういう生産的な関係を見ると、世の中は捨てたものじゃないという気になります。