私は未だにスマホではなく携帯を使っていて、それもメールの送受信サービスは使っていない。NTTから携帯の使用状況の定期連絡が来て、「メールを全く使っていないようなので、データ通信契約分だけを解除してはどうか」とお勧めされた。なるほど親切なものだなあと、その通りにしてもらったのである。もしスマホを持ってしまったら、街中で看板やポスターを見かけて3歩歩くごとに検索するに決まっているので、「井原西鶴歩き連歌」になってしまう心配もある。
※西鶴ではなく、曹植だったかもしれない。最近は検索エンジンの性能が落ちてるので、うまく探せない。しかもAIは信頼度が低く、代替手段に使えない
携帯電話が登場したとき、我々の先輩世代は一斉に飛びついた。これこそ情報化、合理化、システム化であると。だがシステム化というのは、機械を導入することではなく、人間側の情報ルートを整理することだ。当時の一般的な通信手段は固定電話、FAX、電子メール、さらに手紙やハガキ、電報もあったが、既存の通信手段を廃止することも、受信側の体制を強化することもなく、携帯通話と携帯メールが加わったのである。
ビジネスには、上司と部下、得意先と業者というような上下の関係が必ず存在するので、「上」のものが、思いついた時にすぐ伝達して責任を振ってしまおうというなら、たとえ迷惑でも受け入れなければならない。「下」の者の立場から言えば、それで上司や顧客の覚えがめでたくなるならOKである。ただしビジネスの全体を見なければならない「上」の立場はそうはいかない。
情報システムを使うには、情報を流す前に調査・整理し、有用な情報だけを最善なタイミングに絞って送信する必要がある。つまり、上司、得意先が事前に仕事をしなければ、情報機器は使えば使うほど情報が輻輳し、全体がどんどん非合理化されていく。わかってる企業は電子メール導入を機に、業務日報を廃止したりしていたが、多くのエラいさんは思いついたその場で部下や業者に電話して、事足れりとするようになってしまった。ビジネスの上位者がこぞってバカになり、さらに世代交代や改革を担うべき世代を採用しなかった。この期間はちょうど日本の空白の30年と一致するが、脳みそが空白になったのだからしかたがない。
その昔、モンゴルは「ジャムチ」と呼ばれる馬と割符を利用した情報通信システムで、歴史上屈指の大帝国を築いた。割符でさえそこまで出来たのだから、世界ネットワークにつながったスマホなら、本来上手に使えば世界情報帝国も夢じゃないはずなのだが。
アフリカはケニアでは携帯(ガラケイ)だけですべてを賄っていると言う最新ニュースを見ました。ケニアと聞いただけで連想するのは槍や弓を持って踊る民族のように連想して居ましたが、何と携帯で通話はもちろん、財布として大活躍との事。つまり我々日本の高齢者などより数段も先を行っているのです。例えば、農家の畑で野菜を買う場合でもお互いの携帯でのやり取りで支払いをその場で済ませていました。誰でも簡単に使えるシステムは日本のように若者たちだけでなくお年寄りにも優しいシステムの様で驚きました。
一般に、後進国ほど携帯やスマホの普及率が高いです。日米などでは、昔から各家庭まで電信柱で回線をひいてありますが、そういうインフラを整備できた国は多くありません。中国でも、10年ちょっと前まで電話があるのは村長さんの家だけ、という地域がけっこうありましたが、携帯は、電波の中継アンテナを建てるだけでインフラが整うので、一気に普及しました。
健康機器で血圧や脈拍や血中酸素濃度や万歩計などの機能付きスマートウオッチなるものを友人の誕生プレゼントにとネットで購入。昨日届きましたが中国製なのか?価格は2000円以下で安価でした。ところが商品の箱を開けると何と?取説が全て英語でそれも細かい文字がぎっしり。パソコンに打ち込んで翻訳アプリで?それも面倒な作業?そこで考えたのがスマホをかざして日本語に即、翻訳出来ないか?と。いや?出来る筈!と。丁度そこに孫の高校生が居合わせたので、兎に角ネットオタクの彼に、つい聞いてしまいました。実に簡単に操作説明。そう言えば自分も以前一度使った事があった「Googleレンズ」だったのを思い出しました。例えば道端の植物にかざすとその名前が現れるアプリです。早速googleを立ち上げアプリのアイコンをタップし翻訳ボタンを押して英文にかざしてなぞると見事に日本語にたちまち変換。早速この方法を友人に伝える事にして面倒な作業も無く取説も解決。スマホは今や子供から大人まで誰でも持つ時代ですが、自分のように宝の持ち腐れ状態の人達も多い筈ですね。特に高齢者は電話機能しか使わないとなれば、貴殿が言う様にガラケイで十分なわけで、通信料もさほど掛からないでしょうね。
i-Phoneなども14型とか15型などの高級機が出ればすぐさま飛びついて高額機種を惜しげもなく購入する人達が多いですが、殆どが遊び道具で通信費も大変です。私は未だ8型の機種ですが今のところ不自由は感じませんね。しかし表面の保護ガラスが欠けたので100円ショップに探しに行くと、もはや8型用は無くなって居ました。モデルチェンジのスピードも速いですね。スーパーなどに行けばスマホでペイペイとか?バスなど交通機関への乗車もスマホをかざしたりと財布からお札や小銭を出すとコンビニでは後ろに長蛇の列ができるので迷惑だとか?住みにくくなってきました。最近ではサピカとかにチャージする事は覚えましたが、市内だけの移動には有効ですが圏外となるとクレジットカードをかざす方法も登場して居ます。財布を持たない、小銭も持たない、スマホとカードだけの時代も、若者たちにはウケていますが、スマホを落したり置き忘れたりとか、カードを盗まれたらとか心配する我々高齢者は未だついて行けませんね。
最近、ドメインについてよく知らない、若い「サイト管理者」に会いました。何が基礎なのかを知る機会もないまま表面的な技術を覚えてきたようです。我々は、ITが徐々に進化し、取引先がシステム化を進めるのを見ながら歳をとってきたので、基礎的なことに案外アドバンテージがあります。IT機器の性能は、使う人間の能力で決まるということが、頭に染み込んでますからね。血圧だって簡単に測れることより、記録して医師に見せることが重要ですし、コンビニのPOSレジも災害などで停電したらすぐ台帳と伝票で必需品を売れるよう、人間側が訓練できてなければなりません。機械を買うだけで努力しなくても良くなるわけではなく、高度な機械を使うならその分努力を増やさなければいけないはずです。マッハ1の戦闘機のパイロットがマッハ3の最新鋭機に乗るには、今までの3倍ランニングする必要がある、ということだと思います。