CG空間では、比較対象物がなければ物体のサイズはあいまいで、ミニチュアなのか実体サイズなのか、区別できなくなる。現実世界では物体との間に空気があって、塵の乱反射などで遠いものと眼の前のものは区別できるが、CG空間は完全クリーンである。そこで、オリジナルな物体は、誰でもサイズがわかっているものを周囲に配置すると、サイズがわかりやすくなる。
この画像では、押しピンからぶら下げただけで小さいアクセサリに見える。また、押しピンの並びをやや不規則にし、やや見下す角度の目線にし、背後をベニアっぽくしたことで、フリマなどの個人の手作りアクセサリ販売風景らしく見えてくる。
吊った位置のせいでYの字が傾いているところが、今回の見せ所。端っこで吊るしたせいで重さで傾いているように見せてみた。重力の影響を計算してくれる「物理演算」という機能もあるが、そこまでしなくてもちょっと回転させてやるだけで、「あるある」な演出になる。その点で言えば、Lの字の傾きは逆に振れてなければいけない。この絵だと壁に貼り付いているように見えるかもしれない。
繊細ですね。文字によっては重力の作用で、どちらかに傾くと言う事ですね。言われなければ分からないかも知れませんね。これからはCG作品の粗さがしも楽しいかも知れませんね。
CGのあら捜しは面白いですよ。よくあるのが建築パースのタイル。1枚1枚を実寸サイズで表現すると、遠目には細かすぎて砂目にしか見えないので、大きくしてあることが多いです。白いタイルなどはなおさらですね。総ガラス貼りのビルは、現実ではどんなに平行に並べたつもりでも、ガラスにごくごく僅かな傾きがあるので、数キロ離れた白い雲が映り込むとかなりチグハグに映り込みます。パースではそこまで気にかけませんが、ハリウッドだと、大きいガラス面の自然な凹凸による反射の歪みまで表現していたりします。