楽器には,合奏しやすいものとしにくいものがあると思う,近代的な工場で作られる現代の楽器は,最初からきちんと調律されて出荷されるが,それより前の時代では,例えば笛,木琴,ハーモニカなどは,違う工房で作られた楽器同士は,合奏出来なかったかもしれない.昔ながらの民族音楽では,音階の出る楽器は1台だけという編成が多いように思う.
日本で数少ないガーナの木琴奏者の方に,音階のある木琴の合奏はどうするか尋ねたことがある.答えは基本的に合奏はしない.メロディ楽器は太鼓やベルなど,パーカッション楽器と合奏することはあるが,木琴同士では調律が合わないのでやらないそうだ.どうしてもという場合は,プレイヤーは大抵その楽器の製作者でもあるので,音程を合わせた木琴を同時に2台作るのだそうだ.なるほど.
バイオリン(やビオラ,チェロなど)は,調律のきかない楽器に合わせることができ,何台でも投入できる.だからオーケストラでは,昔から多数のバイオリン類の弦楽器を使うのだろう.個人で合奏する時も,ピアノやアコーディオン,ハーモニカなどにすぐ合わせられるのは,バイオリンの良さだろう.
次回「ブリッジを削るぞ!」(12/12 AM0:05公開予定)
乞うご期待!