フィルター・バブルという言葉があるそうだ。膨大な情報の行き交うネット世界の中で、我々は、特定の情報しか通さないフィルタでできた大きな泡の玉に閉じ込められているようだという意味である。確かに今は、個人の検索やサイト訪問履歴から推定されたユーザー像に合わせて検索結果が絞り込まれ、さらに広告主のものが優先されるので、毎回同じような結果が表示される。世界中の情報量は増えているはずなのに、大昔のネットより新しい発見が少ないような気がする。これは自分が自分であることをやめない限り仕方がないのかなとも思っていた。
そんな中、官公庁の公式発表や研究者の発表物だけを表示する、その名も「まとも検索」を発見した。
まとも検索で表示されるのはお硬い情報が多いのだが、決して読みにくいものばかりではない。それまで知らなかった知識にたどりつく確率はむしろ高く、はじめてネットに接したころの、世界が広がっていく感触を味わうことも少なくない。