フランスが2018年の冬季オリンピック平昌大会への不参加を宣言した。安全が保証されなければという条件だが、今のままだと宣言通りの不参加もありうる。一方韓国は、北朝鮮への人道的支援を打ち出しているが、この2つには関係があるように思う。それは、オリンピックの期間中に、世界中のVIPの集まっている平昌の頭上を、ミサイルが飛ぶというシナリオだ。下図のように、もし前回同様に順安から、ちょうど平昌上空でピークになるようにミサイルを撃つと、日本のEEZ(排他的経済水域)に落下する。韓国、日本、両方の領海をはずしてこのあたりに落とせば、いろいろな意味で効果的な挑発になる。
ところがもしそんなことをされれば、韓国の面子は丸つぶれだ。前大統領以上の弾劾騒ぎが起こるかもしれない。なんとかそれを回避するために、世界中から顰蹙を買いながらも、人道支援を打ち出したとも考えられる。
フランスは第一回シャモニー大会からグルノーブル、アルベールビルと、3回の大会を開催した、冬季大会の主役級の国である。それが北の挑発で真っ先に不参加というのは、韓国以上に面子が立たないところだ。だが、韓国が目先の面子にこだわらず、「フランスもそう言ってるし、中止にする」といえば、北はデモンストレーションの機会を失う。そんな風に匂わすだけでもいい。フランスの宣言は、韓国がそういう駆け引きをしやすくするための助太刀とも言える。
さて、もし冬季五輪期間中に図のような発射をしたら、待ち構えた日米の艦隊に迎撃されてしまう可能性がある。迎撃ミサイルの性能を疑問視する意見もあるが、来るのがわかって待ち構えてるなら話は別だ。そして迎撃可能ということになれば、北の核ミサイルによる脅迫シナリオは、根底から揺らいでしまう。少なくともグアム爆撃宣言は全く効果を失う。だから日米艦隊の配備が終わる前に、この方向に向けて実験する可能性もある。
だがそうなると、今までより一段と日本に近い場所に落下する可能性が高くなる。日本は我慢ばっかりで割を食う役どころだが、取り乱したりせず、国民が一枚岩であるところを見せられれば、事態は良い方に動くかもしれない。