「バイオリンはどこが難しい?」という記事でも触れたが、バイオリンの弦は山なりに貼ってある.隣の弦と一緒に弾いてしまわないためだが,これをもっと山なりにすれば隣に引っ掛けなくなるのではないか.それにはブリッジを削る必要がある.
ブリッジは弦の振動を胴に伝える重要な役割を果たす部品で,非常にデリケートな調整が必要だという.値段は数百円からと高くはないが,プレイヤーの好みやバイオリンの形に合わせるよう,削る前の状態で売っている.そして,ブリッジの削りは自分でやらず楽器店に任せるというのが,初心者の心得らしい.
だがこんな動画を見つけてしまったら,自分でもやってみたくなるじゃないか.演奏技術の問題を,練習ではなく道具の改良でなんとかしようとするだろう.だが,自慢じゃないがこうした工作なら,バイオリン演奏より自信がある.日本人ならそういう人は多いのではないだろうか.
動画で一番感心したのは,メープルというブリッジの素材の削り心地の良さそうなところ.あんなに小さくて薄いのに,木目に沿って割れたりしない.削り面も毛羽立ったりせずになめらかだ.刃物の良し悪しや腕もあるだろうけど,あんなにスムーズに削れるなら,演奏ではなく,ブリッジ削りが趣味になってしまってもぜんぜん構わないくらいだ.
で,結局やることにした.「バイオリンは楽しいか?」で書いたように,弱音器をつけたり外したりしているうちに,動かして自分で置き直したりしたので毒皿ということで.
次回「ブリッジを削る」(12/20 AM0:00公開予定)
乞うご期待!