劇場型ご臨終

友人から、癌になって入院中という電話があった。これから検査という、ベッドの上からの連絡だ。今までこういうことは、家族などから人伝えに聞いて知るのが普通だったが、携帯のおかげで病院で本人が直接連絡できるようになった。が、受けた方としては、驚きが生々しくて、一瞬何と答えてよいかわからなくなる。
結局友人の癌は良性で、すぐ退院した。病室からの人騒がせな電話は、要するにヒマだったかららしい。とんだ劇場型闘病生活である。

先日、病床からTWITTERを更新し続けていたタレントが、ついになくなった。全く気の毒というほかないが、どうかこれをマネる人間が出てこないでもらいたいものだと思う。夭折した美女だからサマになるのであって、ジジババの末期のあがきなど、見ても後味が悪いだけだ。また、病床で何か口走るだけなら、周りの者が聞かなかったことにもできるが、感極まって、墓場まで持っていってもらわなければならないようなことを公開されでもしたら、場合によっては大事になる。

メディアは盛んに持ち上げているが、死者に対して多分に冒涜的なのだから、ブーム作りみたいなことはやめて欲しい。

2 thoughts on “劇場型ご臨終

  • 6月 30, 2017 at 06:35
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    ガンも治る時代なのですね。当然ながら早期発見が条件なのでしょうが。病床からのブログも誰にでも読まれる訳で,超プライベートな部分はとっても書けませんね。入院経験は高校生の時の盲腸の手術後の1週間しかありませんのでわかりませんが,寝たきりでは?手先しか使えませんからブログやツイッターなどになってしまうのでしょう。病床に就いても手先でできる趣味を持っていた方がよさそうですね。タブレットなどを使ってでもできる趣味を。

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  • 6月 30, 2017 at 06:27
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    就活ではなく,終活なるものが流行っていますね。自分自身で最後の死を演出しておこうと言う事らしいですね。我が家で育てた野良猫のトラは,ある日のこと,自分の死を予見して突然家を出たまま帰りませんでした。像のお墓のように,猫の世界にも知らないお墓があるのかと思いました。あのトラのように自分もできたらいいなと思いますね。死に顔など他人に見られたくないですからね。去年の夏,胃がんで亡くなった友人の最後の顔も,僕は見ませんでした。きっと見られたくないと思ったからです。いつも通り,玄関を出て,突然消えるシナリオを考えてみたりします。「探さないでください」とだけ書いて。

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