合法的

私は合法的なことが大好きだ.OLDBADBOYと名乗ってはいても,日々法に触れることがないよう,細心の注意を払って生きている.

以前,ある大学の先生がいて,古武道の達人でもあり,道場破りが趣味だった.ご本人が存命である可能性が高いので,いろいろボカして書かなければならないが,大学と言っても頂点に立つあの大学なので,さすがに国内で道場破りは外聞が悪い.主に海外の学会に参加した時に,道場を見つけては乗り込んだ.
相手の流派は空手だろうと柔道だろうと,構わない.お互い納得ずくの上,日本人とは比べ物にならない頑強な欧米人相手なので,相当なことをしても問題が起きない.さんざん乱暴なことをして,最後に人の背丈ほども飛び上がって,四方に手裏剣を打って見せたという.そんなふうに合法的に汗を流すのが何よりの楽しみだったそうだ.

私も常々こういう合法的な生き方に憧れていた.そこで,仲の良い同業者の先輩とこんな話をしたことがある.たまたま彼は居合い抜き,私は棒術を習っていて,内心自分のほうが強いと思っていたので,今後二人同時に末期ガンを宣告されたら,本気の果たし合いをやって決着をつけようというのである.もちろんそこまでやってしまえば完全に非合法だ.が,話すだけならば,不謹慎なだけで,合法である.私はそういう合法性を大切にしたいと思っているし,さらにギリギリまで合法を極めてみたいと思っているのだ.

ちなみに、この時代は優男のほうが武蔵、むくつけきひげ男が小次郎である。
次回「また,不快なものを見てしまった」(10/18公開予定)
乞うご期待!

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