今回の李子柒は稲作。昔ながらのやり方とは言え、さすがに初めて見るようなものはなかった。最近のこのシリーズは、再生時間が長くなっていろいろな内容を詰め込む傾向があるが、当初は、今回のようにひとつのテーマで、ちょっとしたシーンを丹念に映し出す動画だった。今回の稲作もそうだが、若いのに妙に古いやり方に手慣れたところが見せどころだ。以前紹介した「 李子柒について 」によれば、四川省で半自給自足の生活をしているというが、そういう設定のやらせなのかどうか、実は今でもわからない。牛に曳かせた馬鍬に乗るなんて、数秒の撮影のために訓練したとも思えないし。
さてこれは余談だが、今回のサムネはちょっとおかしくないだろうか。本人の田植えと脱穀を合成した画像だが、普通に並べれば良いものもを、わざわざ足元で切って、しかも苗の一部を切り抜いて服の上に出している。左端の茶色い部分の切り取り方も不自然だ。youtubeのサムネは自動的にできあがるが、自分で用意することも、動画のシークエンスから選ぶこともできる。この画像は自分で作るとけっこう大変なのだが、わざわざ作ったとすると、ちょっと頓珍漢なセンスだということになる。映像がまっとうなだけに、それも考えにくい。AIに画像合成をさせると、技術的には高度だが、人間ならやらないようなおかしなことをやるので、これもそれかもしれない。
中華料理のテーブルには所狭しと皿が並び、たくさんのご馳走がありますね。やはり全部平らげるのは食事のマナー違反見たいですね。中国は豪快で、日本の方が質素ですね。子供の頃、日の丸弁当などもありましたからね。家でも梅干しにお茶漬けは多かったですね。しかし、採っても誰も文句を言わない自然薯(山芋)や、沢に自生するワサビや、毎朝父が釣って来る鮎の塩焼きなど或る面、贅沢だったのかも知れませんがね。
田舎には中学まで居ましたので、田畑や林業の手伝いをしました。もちろん子供ですから嫌々でしたけどね。春先には田んぼの稲の古株をトントンとリズムよく掘り進むノルマを与えられました。途中で田んぼの真ん中で空の雲の動きを見ながら寝てしまいました。その後で今度は土を鍬でひっくり返す作業です。当時は未だ耕運機が珍しい頃でした。水を張ってシュロ掻きとか言う作業の後に梯子くらいの長さの木製で六角錐のものでマス目をつけて行き、そのマス目に沿って苗を後ろに進みながら植えていました。この作業は腰を曲げて長時間労働ですから大人たちは大変だったのだと思います。僕は裸足で田んぼの泥に膝近くまで潜って手伝いましたが、ヒルが足の血を吸っていたのを見たその時から田植えはしませんでした。台風を気にしながら秋には稲刈りでしたが、ノコの歯の鎌一つで刈り取り、丸太柱に孟宗竹で組んだハサに稲を干し、しばらくして今度は乾燥した田んぼの中で足ふみ式や発動機で稼働する脱穀機でモミにして家の作業場である土間へ持ち帰り、この動画にあるフイゴウのような木製で手回し式の機械で重いモミを下にセットしたカマスに落とし、軽いものを吹き飛ばして選別していました。モミの入ったカマスのまま農協の検査員が器具を差し込んで等級を決めて買い取り、精米は農協の機械でした。この動画では脱穀部分で木箱にたたきつけていたので驚きました。フイゴウのような機械の名は忘れましたが、米に限らずアズキや大豆などにも使っていました。動画とは若干の違いはあれ、昔の農業は、大体どこも似通ったものですね。中国も今では全て機械化されているのでしょう。
今は知りませんが、日本人ならコメの一粒も残さず食べろとしつけられますが、中国では逆に少し残すのが礼儀のようですね。日本だと農家でも丁寧に作っていた印象がありますが、この動画は、どことなく扱いがダイナミックですね。