中国で街頭の監視カメラの台数を増やし、AIによる顔認証システムで監視を強化すると発表した。
常にカメラで監視されるのは良い気分ではないが、果たして監視する側にとってそれほど有効なのか、昔から疑問だった。映画などでは、味方さえも信用しない冷徹な秘密組織のボスが、無数のモニター画面の前に立つ、という場面がよく出てくる。が、これではボスはトイレにも行けず、肝心の悪事を働く暇も、栄耀栄華を極める暇もなくモニターを見続けなければならない。
また見落としなく万全の状態で監視するとしたら、一人がチェックできるモニター台数は限られてくるし、1日中見張ろうと思えば3交代体制が必要だ。監視カメラを増やしても、運用のコストが莫大になってしまう。さらに、動画は動かぬ証拠とは言え、逆にターゲットの無罪を証明する証拠になってしまうかもしれないし、ハッキングされでもしたら取り返しのつかないことになる。
そこでAIの登場だ。AIを使えば監視人数をずっと減らすことができるし、モニターさえ不要になる。なんならカメラも本物ではなく、ダミーでいいだろう。必要なのはごく普通のPCとプリンター。キーボードで「怪しいと思う人物」の名前を打ち込むと、プリンターからその名前が印刷されて出てくる。これを持って押しかけてしょっ引けばいい。とやかく口答えしても「AIが判定したのだ」と、問答無用で押し通せる。そういうことなんじゃないかな。