親鳥

肉の卸業者が土曜日だけ開催する一般向けのセールで、丸の「親鳥」を手に入れた。スーパーなどで売っている「若鶏」は生後50日ほど飼育して出荷したものだが、親鳥はさらに長期間飼育して、卵を産ませたもの。ひね鶏とも言われる。若鶏は身が柔らかくクセはないが、親鳥の身はずっと歯ごたえがあり、色も味もはるかに濃い。若鶏はちょっと長く煮込むとバサバサで味がなくなってしまうが、親鳥は弾力と味わいが残る。今回は丸のまま1時間ほど蒸してほぐしてみたが、噛めば噛むほど味が出てきた。

いわゆるブロイラーの丸鶏も使うことがあるが、親鳥のほうが大きいということはない。重さはどちらも1キロ前後だが、親鳥は足が長く、全体的にスリムだ。逆に若鶏が、わずか50日前後で、ブクブクに太らされているということだろう。

ちなみに鶏は、我々の食用の鶏卵を産ませる種類と、ブロイラーの鶏肉を取る品種はぜんぜん違うらしい。だから親鳥に卵を産ませたと言っても、それは若鶏用のヒヨコを孵すための卵なのだろう。ちなみにいわゆる地鶏の味が濃いのは、親鳥まで育てて出荷するからで、品種などの差はそれほどないらしい。考えてみれば、本来家庭の庭先などで買っていた鶏は、たった50日程度で食べてしまうわけがない。卵を産まなくなるまで飼育してから落としたのだろうから、本来の鳥料理の味というのは、親鳥の味だったはずだ。いわば「鶏のジビエ」とも言える食べ方だと思うが、高くなると困るので、人気は出ないでほしい。

 

2 thoughts on “親鳥

  • 6月 26, 2018 at 18:36
    Permalink

    さっきまで生きていた鳥をオヤジが絞めて鶏肉にした時のトラウマなのか?食べることはできますが、どうも鶏肉を余り好きではないようです。鶏肉で一番好きなのは、田舎で食べた山鳥の肉です。ウサギを生け捕り、猟師のオジサンや、父の弟のオジサンにさばいてもらって食べたすき焼は美味かったです。鶏肉に似てますね。ウサギも一羽二羽って数えますから、鳥の羽が退化した生き物かも知れませんね。キジか山鳥はおススメです。

    Reply
    • 6月 27, 2018 at 19:53
      Permalink

      キジは見かけないなと思ったら、生息域は北海道を除く全国だとか。それが日本の国鳥というのは…。北海道版桃太郎を作るべきかもしれません。キジの代わりにオジロワシとか。そういえばサルもいませんね。ヒグマにしてしまいましょうか。強そうですよ。

      Reply

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です