驚異のバイオトイレ

ダンボールコンポストから続く)
ダンボールコンポストを試してみて、いくつかの欠点を改良できないか考えていたとき、旭川の正和電工が発明した「バイオトイレ」を取材することになった。富士山に設置されていることでも有名で、しくみはオガクズに電熱をかけて撹拌するだけ。水で流すこともなく、細菌などは一切いらない。自然に分解されるような温度と撹拌機の回転数がポイントだそうで、最後は堆肥化したオガクズを回収することで、大幅なし尿の減量化ができる。富士山のほか、各地の自然公園などで採用された理由だ。 橘井社長 がめざしたのは水環境の保全で、水洗トイレから発生する大量の汚水を削減とかできないかと考えた末の発明である。し尿の処理ではなく、汚水の削減をのために乾燥状態での処理を考えた点がユニークなアイデアにつながった。
(以下徐々に「デリケートな」話題になるので、敏感な方は引き返したほうがいいかもしれない。今も、この話題は予告しなければよかったかどうか迷っている)

正和電工はもともと電気製品の卸売業で、敷地内のあちこちに仮設トイレ型やログハウス型などのバイオトイレが並んでいる。発明者の橘井社長自ら案内してくれたのは社員の使うバイオトイレ。便器を覗き込むと、下にオガクズがゆっくり回っているところが見える。その中へ直接落としているのだが、匂いは全くしない。
続いて橘井社長は汲取口側へまわって蓋をあけ、なんとオガクズを手ですくってみせた。この通り匂いもなくなるというアピールなのだが、取材者として近寄って匂いを嗅がなければならないかもと思って、かなり動揺した。幸いそこまでしなくても良かったが、どうも、お約束のパフォーマンスだったらしい。

電熱をかけなければならないのかと質問したら、そうやってまで処理したい場所を想定したものということだった。その一例が富士山ということだろう。熱をかけないものとしては、介護用バイオトイレもある。マッサージチェアくらいの大きさで、蓋を下ろすと椅子にしかみえない。要介護者の自室に持ち込んで使う。処理量が少ないので、そのサイズにできたという。もちろん携帯便器のように匂いなどはなく、汚物を堆肥状のオガクズとして取り出せばいい。

というような経験をして、コンポストも安定した熱源があったほうがよいと気がついた。そこで考えたのがベランダ・コンポストである。
(「ベランダ・コンポストとニューヨーク・グリーンマーケット」に続く)


4 thoughts on “驚異のバイオトイレ

  • 10月 2, 2021 at 15:16
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    誰だか偉い人が(科学者でしたか?)演台で自分のおしっこを真水に変えて飲んで見せた事がありましたね。しかしウンチの方はいくら化学反応で変化しても素手で触る勇気は中々出ませんね。その社長さんもパフォーマンスとは言えお見事ですね。ところで宇宙では自分のおしっこを真水にして呑んだりしているのでしょうか?それとも宇宙にウンチと共に周回軌道よろしく漂っているのでしょうか?

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    • 10月 2, 2021 at 16:23
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      周回軌道はまずいですよ。「白人は、我が神の星の側にウンコを放るのか」という種族が出てくるかもしれません。水分はリサイクルして、それ以外は大気圏再突入で燃やすそうです。ヤケクソですね。

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  • 10月 2, 2021 at 11:22
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    こんなバイオトイレがあれば下水管も要らず,どんなに不便な所でも清潔で水を汚さない町や村や工業団地などが可能ですね。最近話題の宇宙旅行にも良さそうですね。

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