以前から若い人の晩婚・非婚化や,少子化の問題は,我々高齢者が悪いのだろうとは思っていた.経済状況も、社会そのものもすっかり変わっているのに,いつまでも結婚相手に学歴や安定収入を求めたり,金のかかる結婚式をさせたがったり,教育にカネがかかるのが当たり前という風潮を作ったり.これでは真面目な若い人ほど,結婚なんてできないと考えてしまう.
そこで「高砂」である.日頃日本の文化の素晴らしさを説く高齢者なら,当然紋付きと袴くらいは持っているはず.そこでyoutubeを見て,見よう見まねでいいから謡曲「高砂」を覚えるのだ。あとは公民館か料理屋の広間を借り,新郎新婦に貸衣装を着せて盃事をさせ,「高砂や」とひとふし唸ればもう祝言のできあがりだ.そう,「結婚式」ではなく,熊さん、ハッつあんが夫婦(めおと)になる,庶民の祝言をよみがえらせるのである.
また,地域の若者の言葉に耳を傾け,誰と誰が惚れあってるといえば,バイト同士だろうが何だろうが、寄ってたかって祝言をあげさせてしまおう.もちろん親はつべこべ言うだろうが,相手はしょせん4・50代の若造,一喝して添い遂げさせてしまう.そのへんで恨みを買うのもまた,年寄りの役目かもしれない.ということで,できることから少しずつ.念のために高砂を見ておくことにしよう.
次回「ラットフィンク」(10/10公開予定)
乞うご期待!