某社からセールスのメールが届いた。興味のある内容だったが、送信アドレスのドメインが見慣れないものだったので、企業のサイトの「お問い合わせチャット」で尋ねてみた。今の時代だから相手はAIである。すると、それは当社のドメインではないので、関知しない旨の回答があった。さすがAI、即座に堂々と答えがかえってきた。おかげでストレスも感じず、問い合わせてよかったと安心もできたのだが。
ところが念の為調べてみると、怪しいドメインはその会社のグループのものだった。人間の応対ならちょっとでも怪しいと思ったら上司に振ってしまうところ、せっかくの問い合わせ客を自信たっぷりに追い返してしまったことになる。一説によればAIの知能は猫程度だそうだから、文字通り猫の手も借りたかったということかもしれない。AIの応対は堂々としていて信頼感があるので、間違っていてもそのまま受け入れられる。変なデマが飛び交っているので原因を調べたら、自社のAIの発言が原因だったなんてことも起こるかもしれない。
だからと言って、「これはAIによる回答なので、一切責任は負えない」とただし書きをつけるのも、AIの返答内容をすべて人間がチェックするのも本末転倒。さて、なかなか面白い時代になってきたようだ。