youtubeを見ていて、「えっ、これはアレじゃないの?」と言いそうになった。名前は分からないが、古い燃料店においてあったアレ。調べると、「蒸しかまど」という名前で、羽釜がすっぽり入るようになっていて、中に木炭を入れてご飯を炊く道具だった。狭い厨房でも炭火でご飯が炊けるということで、寿司屋で使う道具だったらしいが、今ではそういう店もなくなったそうだ。
ところがアメリカでは、「KAMADO」の名前で、バーベキューの道具としてなかなか人気らしい。日本の蒸しかまどは製造中止だそうだが、アメリカにはKAMADOのメーカーが何社かあるようで、赤や緑の色や表面の凹凸など、名前以外にも蒸しかまどのDNAがはっきり見て取れる。
おそらく戦後、米軍などの家族でやってきたアメリカ人が、日本で手に入らない蓋付きバーベキューグリルの代わりに使いだしたのだろう。アメリカ人は、なにがなんでも庭でバーベキューをしなければならないようで、子供の教育にも関わることのようだから。そして使い勝手が良かったのか、使い込んだバーベキューセットに特別な愛着を持つのか、なんとか本国に持ち帰った。というようなストーリーが目に見えるようだ。
何しろ本場のアメリカ人が良いというのだから、これはもうご飯ではなくバーベキューの道具になってしまったのだ。色や形からして、もしかしたら日本へも中国から渡ってきたのかなとも思うが、いずれにせよ、今はアメリカに市民権があるようだ。それにしても、使わなくなろうが忘れられようが、一度生まれた生活文化というのはそう簡単に消えたりしないのだなあと感心した。
カマドがアメリカに定着ですか?。僕のカマドのイメージは大きな囲炉裏の片隅にカマドがありました。上にはオカマが載せられていてご飯を炊いていました。燃料はマキや木の枝でした。餅つきの時にはお湯を張ったオカマの上にセイロを何段にも積み上げてモチ米を蒸しあげていました。セイロのスノコにくっ付いたモチ米を摘まんで食べていましたね。美味かったですよ。カマドは大活躍でしたね。囲炉裏がある住まいが夢ですね。そしてカマドも置きたいですね。さすがにバーベキューの発想は無かったですね。
私もカマドはかろうじて覚えがあります。セイロを重ねて、餅つきをしたことも。囲炉裏はないですが、以前新潟のデパートで「電気囲炉裏」を見たことがあります。縁はあるけど深さはなくて、うっすらと灰を敷き詰めてあって、真ん中に模造の木を組んで、中でニクロム線が赤くなってました。縁からは電気コードが出ていて、床の上に置くだけで囲炉裏ができるというものでした。すごい発明だなと思いましたが、その後見かけたことはないです。今本当の囲炉裏のある家を作ろうと思ったら、人間国宝みたいな大工さんに頼むしか無いかもしれませんね。