バイオリンと戦略

戦略と戦術はどう違うのか.というテーマが,経営者仲間や得意先とときどき話題になる.「戦略上の失敗は,戦術的な努力では補えない」とか,「戦略的に負けた側は,なぜ負けたかも理解できないうちに負ける」などと言われるほど重要なものだが,人によって定義は違うらしいし,戦略らしい戦略を持ってる会社は少ないものらしい.私は,意見を求められた時には,こう答えてきた.

ある町にコックさんが二人,近くに同時に洋食店を開いた.どちらもメニューやサービスに工夫をこらして頑張るのだが,さらにA店は,開店と同時にバイオリンの練習を始めた.3年後A店は店主が店頭でバイオリンを弾いて客引きし,カップルや誕生日にはテーブルで演奏したので,そのことが話題になって客足が増えた.これを見てB店がバイオリンをはじめても3年間の差は追いつかないし,やっても二番煎じにしか見られない.プロを頼めばA店と同じ程度に持ち直すかもしれないが,コストが経営の負担になる.

コックさんとバイオリンという,できるだけかけ離れたものを例にして,どんな小さなビジネスにも戦略はあり,他の上手くいってる手法を真似すると,たいてい誰かの思う壺になることを言いたかったのだが,何回か話しているうちに,実際にやってみたくなったというわけである.

ちなみにバイオリンを弾くコックさんというのは,ディズニー映画「わんわん物語」の中の,「ベラノッテ」の名シーンからとったつもりだったが,動画を探すとアコーディオンとマンドリンだった.何かしゃべる前にググれと,若い人に言われるかもしれない.

次回「リズムとズレ」(4/25)公開予定
乞うご期待

2 thoughts on “バイオリンと戦略

  • 4月 27, 2016 at 13:01
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    私も60ウン年の年月をかけて、なんとか「公園のベンチに居る爺さん」というところまで到達しました。ここまで長かったですね。あと足りないのは「ブルース」だけです。

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  • 4月 26, 2016 at 22:41
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    まだ、ブルースの「ブ」までも行っていませんが、時折、ブルース・ハープをいじくってはいます。身体で覚えるしかないですね。作曲まで漕ぎつけるには遠い道のりですが。最終ゴールはストリート・ミュージシャンのような「公園のベンチに居るブルース爺さん」ですが。

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