フィドル事始め

フィドルとヴァイオリンは同じ楽器だ。ヨーロッパのジプシー音楽や民族音楽,アメリカのカントリー&ウェスタンやブルーグラスなどで使うときはフィドルという.フィドルのプレイヤーはフィドラーだ.
image4_1209814461フィドラーと言えば,アメリカのTVシリーズ「ルーツ」を思い出す.主人公のクンタ・キンテがさらわれてきた農場で,彼の味方になってくれる年老いた奴隷の名前がフィドラーだった.ルイス・ゴセットJr.が,フィドルを腕の上に乗せた変則的な格好で,巧みに弾いていたのを思い出す.

激安ヴァイオリンがどれほどひどいシロモノなのかはわからないが,もしジプシーや黒人奴隷が手に入れたら,それでも必死で練習し,哀愁たっぷりの音楽を聞かせてくれただろう.ヴァイオリン初心者の心得を読んで,一時はあきらめかけた熱がまた高まってきた,

フィドルの世界!

フィドルの世界!

やはりヴァイオリンなんて無理なのかと思っていた時、<ヴァイオリンとフィドルの違い http://blog.livedoor.jp/potos_miki/archives/50820501.html>という素晴らしいサイトに出会って、目からウロコが落ちた.

・ ヴァイオリニストはビブラートで音程をごまかす
 フィドラーはもともとの始めから音程が狂っている
・ 表板が光ってきれいなのがヴァイオリン
 松脂の粉が山のようになっているのがフィドル
・ 楽譜通りに正しく弾いても音楽にならないのがヴァイオリン
 楽譜を無視して弾いても音楽になるのがフィドル
・ ヴァイオリンは練習したら弾けるようになる
 フィドルは練習しても思うほど弾けるようにならない
・ 下手なヴァイオリニストは納得される
 下手なフィドラーは袋叩きにされる
・ ヴァイオリニストはそっと音を出す
・ フィドラーはいきなり突拍子もない音を出す
・ ヴァイオリンの上手な人は正しい運指をマスターしている
・ フィドルが上手な人は無茶苦茶の運指で正しく弾ける
・ ヴァイオリニストは演奏会が終わってから酒を飲む
・ フィドラーは演奏前、演奏中、演奏後に酒を飲む
・ ヴァイオリニストはとりあえず向上しようとする
・ フィドラーは、酒の量に比例して向上する
・ ヴァイオリニストは自分の演奏の不出来を楽器のせいにする
・ フィドラーは楽器のせいにできるほどいい楽器を持っていない
・ ヴァイオリンの音は神経にさわり、頭痛を起こす
・ フィドルの音は癪にさわり、物を投げたくなる
・ ヴァイオリニストは楽譜がないと困る
・ フィドラーは楽譜があると困る
・ ヴァイオリニストは演奏中、自己陶酔している
・ フィドラーは演奏中、酒に酔っている
・ ヴァイオリニストは練習を欠かさない
・ フィドラーは酒を欠かさない
・ ヴァイオリニストは演奏家である
・ フィドラーは作曲家である
・ ヴァイオリニストは楽屋で今日弾く曲を練習している
・ フィドラーは楽屋でみんなと遊んでいる
・ ヴァイオリニストは車を道の真ん中で停める
・ フィドラーは他の車にぶつけてから停まる
・ ヴァイオリニストはヴァイオリンの他はよくわからない
・ フィドラーはフィドルのこともよくわからない

そう、自分のやりたかったのはこういうこと.最初からヴァイオリンではなく,フィドルをめざすべきだったんだ.

続・バイオリン事始め

新しい市場が生まれるにはいくつかの場合がある.今までになかった商品が開発されたり,新しいチャネルができたりするほか,劇的に価格が下る場合もそうだ.8,000円なら,楽器としてはピアニカの次ぐらいの安さだ.興味本位で手にする人が増えれば,新しい文化も生まれるかもしれない.

激安バイオリンの演奏動画を見て,俄然好奇心を掻き立てられてからというもの,ネットで初心者向けの情報を探しまわったのだが・・・・

  • 初心者といえど3万5万という安物はだめ
  • 安物を使うと,悪い癖がつき,大事な耳が出来上がらない
  • 最低でも20万円のは必要
  • 弓が重要なので,5万円以上のものを.毛は半年で取替え,弓自体も2.3年で交換を.
  • 独学はだめ.必ず先生につくこと
  • 月謝は1万円,発表会には別途参加費がかかる上,先生のリサイタルの券も売りさばかなければならない.
  • 最初の楽器にはいずれ満足できなくなるから,2・3百万のを買うこと
  • 基礎が大事なので,5年間は「キラキラ星」を練習すること
  • なんだかんだ言って,絶対音感がなければモノにならない

これでは「音楽」ではなく「金額」だ. すっかり心が折れてしまった. クラシックというのは, 何と弱者に厳しい世界なのだろう.

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バイオリン事始め

60歳でバイオリンを始めることになった。きっかけはamazonで,本体その他すべて一式8,000円という,とんでもない激安セットを見つけたから. オモチャにもならないようなパチもんだろうと思ってレビューを見ると, 購入者がけっこうたくさんいて, しかも思ったより星が多い. ちょっと興味が湧いてきた.

バイオリンといえば, 何十億円という額で取引されることもある, 高い楽器の代表だ. 子供用でさえ, ちゃんとした基礎ができないとかで, 何万もするようなのを使うのが普通らしい. しかも人様に聞かせられる音が出るまで, 長い時間, 血の滲むような訓練が必要だという. 常識がある人間なら, 手を出さないシロモノだ.

レビューをよく読むと, 高い評価をしているのはおもに初心者のようで, 思ったよりそれらしい音が出る, という感想が多かった. 逆に経験者らしき人はボロカスに書いている. ということは, れっきとした素人の自分には「それらしく聞こえる音」が, 「思ったより楽に出る」ということになる. ますます好奇心が掻き立てられたところへ, プロが激安バイオリンを試してみる動画を見つけてしまった.


すごいじゃないか!