激安バイオリンと中国の職人

いわゆる激安バイオリンとしては,ステンターとハルシュタットというメーカーが有名だ.どちらもドイツっぽいブランド名だが,製造は中国.それより少々高いスズキというメーカーもあるが,これは昔から有名な楽器メーカーのスズキではなく,やはり中国のメーカーらしい.

ハルシュタットの激安バイオリンは,8千円で本体と弓,松ヤニ,弦のスペア1セット,調律用の笛とケースがついてくる.あと初心者が欲しいものと言えば,電子式のチューナーと肩当てくらいで,どちらもそれほど高いものではない.さすが中国製,物価が高騰していると言っても,驚きの安さだ.これでいくらかでもバイオリンらしい音が出るなら,流石に普及するだろう.素人がためしに手を出す楽器としては,今まではギターだったが,これならギターより手頃だ.そのうちアマチュア音楽の世界が変わってしまうかもしれない.

余談だが日本人も中国人も,手先が器用で,歴史的に優れた美術工芸品を作ってきたが,その職人の地位は天と地ほど違う.建築でも工芸品の分野でも,中国の職人の地位はおそろしく低く,待遇も劣悪だ.どんなに高度な技術があっても職人は尊敬されず,経営者の言うがままに無茶な注文に従わされるだけでなく,遅配,無配も日常茶飯事だという.日本であれば匠と呼ばれて,文化人や芸術家の扱いを受けることも珍しくないのと好対照だ.

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です