まずはケースを見てみよう

思わぬ来訪者のことはさておき,まずは新しいケースを見てみた.実は届いた直後はけっこう小汚かった.元が手垢なのかなんなのか,ところどころべたついたカビたようなものが付着し,さらにホコリもかぶっていた.そしてちょっと臭かった.手垢まみれのまま,長年納屋か何かに放置されていた,そんな感じの臭いである.ただしこの汚れは,丁寧に拭き取ると全く気にならなくなった.傷なども少なく,程よい古さもあってなかなかの風格である.

曲げ木加工の椅子
曲げ木加工の椅子

特徴的な蓋の曲面は,光沢が出てくると周囲の光を反射して,とりわけ印象的である.余談だが,曲げ木(ベントウッド)と呼ばれるこの手法は,1830年台に,ウィーンの家具職人ミヒャエル・トーネットが開発したもので,ブナなどの柔らかい木材に,スチームをあてて金型で成形している.特に背もたれの部分を曲げた椅子は,ヨーロッパのパブなどで定番となった.日本でも、一度や二度よく見かけたことがあるだろうと思う.
ちなみにブナという木は,狂いが大きいので木材としての用途が無かったが,大量の葉を落として森林の生態系を守り,敷いては海の養分も補給している極めて重要な樹木だ.曲げ木細工の開発で,人間生活にとってさらに身近な木となったのである.

金具類は,すべて別用途のものを転用している.取っ手はタンスの引き出しの引き手,蝶番は飾り箱など用の小さなもの.止め金具はバッグ用だ.真鍮のように見えたが,サビをとった部分は銀色になったので,メッキだとわかった.本来の持ち手ではなくタンスの引き手なので,手が深く入らず,少々持ちにくい.欧米人の大きな手ならさぞかしきつかっただろう.

内張りのベロアは,汚れや破れがほとんどなかった.臭いはあったが,風を通しておいたら気にならなくなった.ケースの中には,古いバイオリンと弓が一本入っていた.弓はけっこう毛が抜けていた.毛を張り替えることもできるらしいが,本格的な奏者になると,毛が抜けるだけでなく,本体の反りがおかしくなるので,半年(?)ほどで取り替えてしまうこともあるらしい.試してみないとわからないが,どうしても使う必要はないようだ.
で,いよいよバイオリンである.表面は多少古くなっているようだがブリッジもあり,弦も4本揃っている.果たしてどんな音が出るか,さっそく弾いてみたわけだが...

次回「来訪者が明かしてくれた,バイオリンの秘密」 (1/25 AM0:01)投稿予定
乞うご期待!

One thought on “まずはケースを見てみよう

  • 1月 27, 2016 at 22:23
    Permalink

    血が騒ぎました。ビックリポンです。2年間を短縮すると違いが判りますね。僕も何かやらねばと思いました。来月あたりこっそり楽器を買おうかと思い出しました。昔はトランペットやギターやエレキギターもやっては居ましたが、電気を使わなくても弾けたり吹けたりするものがいいかと思っています。まだまだ人には聞かせられないので仕事の途中抜けだして山の中ででも練習するのがいいでしょうかね。苦手だった弾き語りなどできればいいですね。

    Reply

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です