リズムとズレ

三拍子と2拍の手拍子アフリカの子どもたちに三拍子の曲を聴かせると,二拍の手拍子を叩く.曲が「1.2.3.1.2.3.」とリズムをとる間を,「1.2.1.2.」のタイミングで手拍子を入れる.音そのものではなく,曲と手拍子がぴったり一致しないことでできる微妙なタイミングのズレが,アフリカ人にとっての「リズム」そのものなのだそうだ.
この感覚は言葉で説明しにくいが,ちょっと試してみるとすぐわかる.口で「1.2.3.1.2.3」と言いながら,二拍の手拍子を叩くと,そこに何とも言えないノリというか,緊張感が生まれる.三拍子の曲に合わせて三拍の手拍子を叩いても,この感覚は味わえない.

昔から,二拍子や四拍子は,歩くリズムだから体に染み付いている自然なリズムだが,三拍子という割り切れないリズムが,なぜ無理なく聞こえるのか不思議だったが,これは心臓の脈拍なのだそうだ.「心臓がドキドキする」という言い方をするが,実際の心音は「ドッキドッキ」という,三拍の真ん中を抜いたような三拍子を刻んでいる.心臓の筋肉が全身に血液を送り出す時の,やや時間をかけてギュッと絞りだす動き.逆に心臓に血液が流れこむ時の,一瞬の動き.心音は,その動きに合わせて動く心臓の弁の音なので,自然に三拍子を刻んでしまう.
そして,心臓が三拍子を刻むと同時に,足が二拍子をとる.心臓を動かしながら歩き続けるのが,人間の基本的なリズムだと,アフリカ人は考える.だから上述のような手拍子を合わせるのだ.あまりバイオリンには関係がないようだが,アフリカのリズムは,ジャズのスゥイング感になって,多くのポピュラーミュージックに影響を与えている.ポピュラー曲を弾くときは,譜面通りではなく,このスゥイング感を盛り込んでいかないとさまにならないことが多い.

次回「(GW特別企画)」(4/29 公開予定)
乞うご期待!

One thought on “リズムとズレ

  • 4月 26, 2016 at 06:37
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    休止符が入る事で独特のリズムが生まれますね。日本にも民謡などの合いの手などもそれかもしれませんね。

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