ブリッジ再び

新しく来たヴィオラは、弦が太い上に高く貼ってあって押さえにくい.そこで新しいブリッジを削って,弦を低く張る事にした.ついてきたブリッジは,高さが高いが角度が良いので,新しいブリッジのやや低い位置にあてて線を引き,それを目安に削ることにした.
久しぶりにブリッジ削りができる.私はバイオリンの演奏ではなくブリッジ削りが趣味なのではないか,というくらいこの作業が気に入ってる.広い場所が必要ないし,何か他の用事ができたらすぐ中断できる.多分こういうちまちました作業は日本人に合ってると思う.気兼ねなく手を加えられるというのも,安い楽器ならではだ.ただし本格的な演奏家はやっちゃいけないと思う.以前削った時には指に刃物を突き刺した.絆創膏を貼れば日常生活には全く支障のない軽症だが,さすがにバイオリンは弾けなかった.
プロは夏でも手袋をして寝て,指を守るとかいうから,ブリッジ削りなどぜったいにやってはいけないだろう.そう思うとブリッジ削りは,多少怪我しても惜しげのない,ヘボ奏者ならではの楽しみといえるかも知れない.

仕上げたブリッジはすんなりフィットして,音もそう悪くはないようだった.早く仕上がりすぎて物足りないほどだ.あらためてビオラを弾くと,まだまだ指の力が弱いらしく,押さえきれない時もある.だが,バイオリンに比べて弦同士の間が開いたので,隣の弦に触ることが少なくなった.また,バイオリンの場合は一番低い第4弦が遠くて弾きにくさがあったが,サイズの大きいビオラのほうが,なぜか4弦すべてに指が届きやすいような気がする.ただし高音部は指が届きにくいし、力もいる.小指は押さえきれない感じだ.

bridgefitting

ちなみに写真はブリッジの設置面を削りだす道具.楽器の上板に紙ヤスリを置き,ローラーによって一定の角度が保たれた道具でブリッジを固定し,スライドさせて接地面を削る.買ったわけではないが,ネット上にはこういうちょっと邪道な感じのツールがいっぱいあって面白い.それだけみんなが苦労しているのだろう.これ自体はあまりうまくいかない感じがするが.
ヤマハのような大手なら,上板の面をスキャンして立体データを記録し,ロボットにブリッジを削らせることもできるはずだが,職人を育てる方に力を入れてるかもしれない.
また,バイオリンやビオラのメーカーのサイトには,楽器本体のほか,弓や弦,肩当てやケースなど,たいがいのアクセサリーも同時に販売しているが,ブリッジだけはない.最初はなぜだか分からなかったが,そういう調整も工房に持ち込んで欲しいという,プロの矜持なのだと気がついた.

次回「弦が切れた!」(7/26公開予定)
乞うご期待!

3 thoughts on “ブリッジ再び

  • 7月 25, 2016 at 19:11
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    ブリッジ削りは上手くいっていますか?それとも、仕事で中断中ですか?バイオリンと違って低音の魅力 が味わえるのはまだ先ですか?

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  • 7月 23, 2016 at 14:57
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    自分の時間というより、どうしても画面の前でじっとスタンバイしてる時間ができてしまうので、机の上でできることがないか以前から探してました。考え事は、軽作業をしながらがはかどるタイプですし。でもそのせいで、車の運転は危なくてできません。
    削リ過ぎてしまえばおしまい、というところが緊張感があってたまりません。それに失敗したかどうか、その場で判断できないことのほうが多いです。音が変わったかどうか、聞き分けられるほどじゃないですね。先日も、以前削ったものにおかしな所があるのに気づいて修正しました。

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  • 7月 23, 2016 at 13:05
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    ご自分の時間をたくさん持っておられて、楽しそうですね。弦楽器はギターを少しいじっただけで、詳しくはありませんが、パーツを作ったり、削ったりしたことはありません。ところで、そんなに低くしたら音の響きが変わる?なんて事はありませんか?それに削った分は元には戻らないわけでしょうから?。他人ごとながら心配になります。

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