オーケストラ!

先日観た,フランス映画のタイトルである.
バイオリン=クラシックだけではないと思うので,なるべくクラシック以外の話題にしようと努力しているのだが,やはりあの世界は奥深い上に幅広く普及しているので,どうしても話題にせざるを得なくなる.先日のG線上のアリアの記事などがそうだ.

「オーケストラ!」は,音楽をテーマにしたコメディである。舞台は現代のロシアだが,ソビエト時代に,政府の弾圧でボリショイ管弦楽団の掃除夫にされてしまった天才指揮者が,フランスから楽団への公演依頼に勝手に応じ,同じように追い出された楽団員たちを集めてパリへ行く話.メンバーは運転手や八百屋,ジプシーなどをやっていて,中には共産党の復権を信じて街頭演説を続けている者もいる.映画は「典型的なロシア人」のパロディらしいのだが,人数分のパスポートを空港ロビーで偽造したり,楽器は前日のリハーサルでようやく調達できたりと,すべてがルーズで無計画.しかもパリにつくなり,全員どこかに遊びにいってしまう.日本人の私としては可笑しいやら気が気でないやらだ.

動画は,人気絶頂の女性バイオリンソリストの前で,ジプシーの団員が演奏するシーン.楽器を持てば歌えや踊れやになってしまうが,突如倍音のアルペジオなどという超絶テクニックも飛び出す.セリフなしの演奏だけで「どちらも音楽」ということが伝わってくる,お気に入りのシーンだ.動画は不正アップロードだろうが,ロシア式に細かいことは気にせず,楽しんで欲しい。

次回「果たして今の実力は?」(9/16公開予定)
乞うご期待!

ビオラについて

ビオラを手に入れてから,初心に帰って主にスケール練習をしている.手に入れたのは標準よりやや小さめなサイズなのだが,それでもバイオリンに比べれば全体的に大振りである.4本の弦のうち,3本まで弦の音程がバイオリンと共通なので,それほど差はないと思っていたが,全体的に弦がぐっと太くなった.指板からの高さもずっと高く張ってあるので,押さえる時の反発が強い.バイオリンの一番細い弦などは,指を乗せただけで押さえられてしまいそうだが,ビオラの場合はぐいっと押し込まないと,きちんと押さえられない.弓のあて具合も,バイオリンだと弦に乗せただけで音が出るが,ビオラは少し力が要る.もちろん楽器の良し悪しも関係あるだろうが.

shoulder_restそんな具合だから,スケールもなかなか綺麗に弾けないが,不思議と苦にならない.遊びたくなったら別にバイオリンがあるせいか,のんびり練習している.ときおりきちんと安定した音階が出ると天下をとったような気分だ.また,激安バイオリンや中古と違う,どことなく漆器を思わせるような,それらしいニスの香りがいい.

ところで,バイオリンやビオラには肩当てという付属品がある.歴史はそれほど古いものではないらしく,素材も形状もまちまちだ.バイオリンに穴や傷をつけず,不規則な奏者の肩の形に合うようにするということで,なんだか無理に無理を重ねたような形をしている.
最初は装着法がよくわからず悪戦苦闘したが,慣れてからも,うまく支えられているかどうか,いつまでも納得の行かない道具だった.特に,楽器を構えるまでで,一番手間取るのがこの肩当ての装着だ.これをつけなくていいなら,ちょっと時間が空いたので5分ほど弾いてみようか,という気にもなるのだが.

それがビオラの時にはピタッとおさまって,しっかり楽器を支えてくれる.楽器と一体化して,いつも同じ角度,同じ方向に楽器をセットしてくれる.まさに道具は使いようなのだが,だからと言ってバイオリンだとちょっと邪魔くさいことに変わりない.相性なのだろう.

次回「オーケストラ!」(9/12)公開予定
乞うご期待!

タイトル画像の修正作業(続き)

①の画像も十分ファイルサイズが大きかったが,これは単純に%を下げて全体をボケボケにしてしまうと,せっかくのバイオリンケース表面の,テカテカした光沢が薄れてしまうかもしれなかった.汚れていたケース表面を磨くのにけっこう手間がかかっただけでなく,どういうわけか,後日別な場所で撮り直しした時には,同じような光沢が出なかったので、この写真のこのテカリ具合はなんとか残しておきたかったのだ.
修正そこで,ケースの部分だけをあらかじめ切り抜いて保護しておき,全体の修正を行った後で無傷のケース部分だけを乗せ直すことにした.また,通常は書き出しの際の%を下げることでサイズ縮小するのだが,小石を敷き詰めたような地面のデコボコのメリハリはなるべく残しておきたい.こういう画像は単調な色に見えても,細部に系統の違う色がたくさん入っていて、みためより容量をとっている.そこで地面とケースの間に半透明の膜を置いて,色の傾向を揃えてみた.こうして2枚の画像を合わせても,1枚の1/4程度に押さえることができた。
今使ってるWORDPRESSテーマは,全部で5枚,同様の画像スライダーを使えるが,無造作に増やしていけば同じような問題が起こるだろう.いろいろなテーマのデモを見ると,どれも画面サイズが大きく,なおかつ綺麗なものを使っている.だから自分もつい大きなままで上げてしまいたくなるのだが,やはりデモでつかっているようなのは,画面サイズのわりに軽い画像を寄り過ぐっているのだろう.今後もし5枚の画像を使うようにしたいなら、全部の画像をさらに縮小しなければならなくなる.なかなか思うようにはいかないものだ.

次回「ビオラについて」(9/8公開予定)
乞うご期待!