携帯電話

ネット上の記事で,「携帯電話のない時代に,どうやってデートしてたの?」という質問があった.そういう時代に生きてきた身としては,実に重い問いかけである.まずは何人か知人(男)に尋ねたが,一様に「電話をすると,親父が出てきた」と答え,話が弾まなくなった.いろいろ大変すぎて,あまり楽しい思い出ではないのだ.

例えば何人かで旅行に行くとする.万一遅れたり,行けなくなった場合の連絡法を決めておくだけでなく、一人ひとりが,万一一人になっても帰って来られるだけ現金を持っていく.そして誰かの家族を共通の連絡先にして,公衆電話から連絡を入れ合う.そんなふうに,事前に諸々のルールを決めておかなくては,とても危なっかしくて出かけられない.そこまで考えても,旅行となると予測不能なことも起こるのだ.我々年寄りは,若い世代に無条件に集団のルールを守るよう押し付けてしまうかもしれないが,年寄りはこういうバックグラウンドを背負ってるからかもしれない.

退屈で閉鎖的な日常を破ろうと思ったら,若い人なら全員携帯電話なしで,少人数の旅行をしてみるといいかもしれない.一方,携帯電話に依存した生活して,もはや無くてはならなくなっているのは今の高齢者のほうだ.どこにいても直接相手を呼び出せる無線式の電話は,昔はまさに夢の機械で,社会をあげてそのインフラ構築に取り組んだとも言える.ないとどれだけ困ったことになるか身に染み込んでいるから,携帯なし旅行の話などには,絶対に乗ってこないだろう.自分だってそうだ.

というふうに,便利なシステムに頼りきってしまうことの良し悪しを書こうと思ったのだが,先日雨の中で自転車に乗りながら傘をさし、スマホをいじってる人を見たのを思い出した.手は2本しかなかったと思う.機械の発達に負けず,人間も進化している(?)

次回「オールド・バイオリンはなぜ高い」(11/20公開予定)

One thought on “携帯電話

  • 11月 27, 2016 at 08:40
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    携帯の無かった高校生の時から何人かとデートはしましたね。主にラブレターでの連絡でしたね。自宅に居れば恥ずかしくて出来なかったのでしょうが、全寮制だったので、男女間交際は自由でした。男子寮と女子寮は別棟でしたが、生徒同士の交際も有りましたが、一般女性との交際もありました。とは言ってもほとんどがプラトニック・ラブでしたね。せいぜい映画を見たり、デートでぶらぶら歩いたり、自転車の後ろに彼女を乗せて見せびらかしたり、今の高校生などは堂々と手をつないで登校していますね。当時は人前で手をつなぐなど出来ませんでしたね。連絡もほとんど手紙か、お互いの友人に頼った伝言や、寮の電話に架けるくらいですが、親は出なくても舎監の先生が出ますからまずかったです。しかし、携帯もポケベルも無い時代の方が直接コミュニケーションを取れていた気がしますね。

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