吉良上野介

元禄15年の今日,赤穂浪士の討ち入りで命を落とした吉良上野介というのは,どういう人物だったか.歌舞伎や映画のお陰で,すっかり悪人のように思われているが,決して底意地の悪い年寄りではなかったようだ.
上野介は高家肝煎(きもいり)という,極めて高い身分の旗本だった.徳川家,松平家以外の家柄としては,最も高い地位についていた.しかも,元禄三大美男に数えられるほどのイケメンだったという.(残りの2人は水戸光圀と誰か)領地は現在の愛知県だが,上野介自身は江戸生まれ,江戸育ちの江戸っ子.だからなのか,気さくで気取らず世話好きな好人物だったらしい.
一方,浅野内匠頭もまた江戸生まれの江戸育ち.領地に入ったのは,元服の際に一度だけで,大石内蔵助とはその時に一度会ったきりである.内匠頭は16歳の時に一度勅使饗応役を勤めていて,その際も吉良上野介が後見として,無事大役を済ませている.
問題の松の廊下の時点で内匠頭は30歳.二人は二度目のコンビで,お互い江戸っ子.いまさら田舎大名と蔑んだり,いじめたりというのは,あまり無いように思える.親切に指導したらなぜか逆ギレされて怪我を負わされ,家臣の逆恨みで殺害され,首を斬られて槍の穂先にくくりつけられたまま,沿道の喝采を浴びながら泉岳寺まで凱旋パレード.その後も歌舞伎や小説,映画,TVと,何百年間も憎まれ役にされてるとしたら,将門や道真並に国に祟っても不思議ではないくらいだ.

次回「刺又(さすまた)」(12/18公開予定)
乞うご期待!

5 thoughts on “吉良上野介

  • 12月 14, 2016 at 23:04
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    どうやら、今夜は、どこも、ニュースに成る様な討ち入りはなさそうですね。では、チョット早いですが、今夜は枕を高くしてこの辺で、眠る事にいたしましょうか。

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  • 12月 14, 2016 at 23:00
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    深いですね〜。例えば、サリンの実行犯が正しくて、カルト教団?をつぶそうとした側が悪者と言う事ですか。そんな時代になれば、警察や公安は敵視されて居なくなるかも知れませんね。クワバラ、クワバラ。

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  • 12月 14, 2016 at 20:20
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    討ち入りは当時テロの一種として処分されたものが、講談や歌舞伎の題材になって、義挙・美談になってしまいました。今となっては、それはそれで話として面白いから良いのですが、まさか以前世間を騒がせた反社会集団などが、100年、200年後に、義賊や悲劇の主人公になったりしはしないかと思ったことがあります。確かめようはないですけどね。

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  • 12月 14, 2016 at 19:32
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    いじめが原因で集団で殺人なんて、現代と真逆ですね。今ではいじめられた方が自殺してしまいますから仇討ちなど考えないですから。いじめた方も、うやむやになって、お咎めなしですね。

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  • 12月 14, 2016 at 15:47
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    年月は伝言ゲームで幾らでも変わりますからね。史実なのか脚色なのかは、今になっては誰にもわかりませんね。殺した方が美談になるとは?現代では通用しないかもしれません。

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