餅つきの話

ネットに,この季節ならではの餅つきの記事があった.ある会社に,近所の老人会から,餅つきをしたいので若い人を貸してほしいという申し出があった.餅つきの手伝いだろうと,何人か行ってみると,餅をつくのは老人たちで,若い人は食べる役だったそうだ.餅つきをやりたいのだがたくさんできてしまっても困るし,喉につまらせるのも怖いということらしい.元気な高齢者がたくさんいる現代らしい話だ.反対に若年層が減ってくると,若さや食欲だけでも貴重な能力になる,ということか.

ちなみに餅を喉に詰まらせるのを他人事だと思ってはいけない.私には部分入れ歯があって,以前餅を食べている最中に口の中でくっついてはずれた.それだけならいいのだが,急に喉がそれらをひとまとめに飲み下そうと,奥に送り込みはじめたのだ.口から出せばいいだけのことなのだが,本人の意志とは関係のない本能的な動作がすぐには止まらず,吐き出すこともできなかった.餅を喉につまらせて死ぬとはこういうことかと,実感した.それからは割と小さく切って口に入れている.
食べ物を噛んで喉に送り込む動作は,長い年月の間に,無意識の流れ作業になっているらしい.熟練工が複雑な手作業を無意識にできるのと同じように.しかも,米の場合,蕎麦の場合,餅の場合というように段取りを替えながら,絶妙のタイミングで喉までの流れ作業をしているような気がする.私の場合は部分入れ歯がきっかけだったが,それがなくてもこの手順が乱れて,飲んではいけないタイミングで喉に送り込もうとすることは有り得ると思う.正直言うと,餅を小さくちぎって食べるのは,少々物悲しい気分になる.でも,私もそうだったが,餅は喉越しで味わうなどと言ってる人は,そういうのは考え直したほうが身のためかもしれない.

さて,件の老人会は,食べなくても餅の醍醐味を堪能するという,実に頭のいい人たちだ.おそらく来年からは屈強な男性だけでなく,女子社員も混じってくるだろう.一石三鳥みたいなものだ.年寄りの知恵とはこうでなくてはと思う.

6 thoughts on “餅つきの話

  • 1月 1, 2017 at 21:27
    Permalink

    ヤバいです。元日の5時の段階で、東京だけで6人が餅で救急搬送、うち2人が亡くなりました。全国ではいったい何人が?読んでいてよかった。

    Reply
  • 12月 30, 2016 at 07:08
    Permalink

    言い足りませんでした。飲料や食べ物を一旦口に入れるまでは、普通の姿勢で。飲み込む時にうつむき加減にして飲み込むと言う訳です。で、ないとうつむいたまんまでは水すら飲めませんからね。ところで、昨日もやってしまいました。つい油断して椅子に浅く腰掛け背もたれに背中をつけて足をスツールに投げ出しTVを見ていたのですが、斜め状態でミカンを食べ、咽ました。水ならまだしも酸味の果汁は咳を何度してもなかなか治りません。それは苦しいです。講釈師も油断大敵です。

    Reply
  • 12月 29, 2016 at 07:56
    Permalink

    でも、食事中に「姿勢が悪い!」と、家族や、いろんな人に言われますが、気にしてはいけません。歩くときは猫背は、みっともないですから背筋はピンと延ばして颯爽と歩くことをお勧めしますが、食事や食べ物や飲料や薬はうつむき加減がおすすめです。若い人はどんな体制でも平気ですけどね。だんだん無口になると舌の運動不足で奥の付け根レベルが下がるので歌でも歌っているのがいいのかも知れませんね。アインシュタインの肖像写真風に、時々、思いっきりベロを出すのも効果的かも知れません。他人に向かってすれば喧嘩になりますけどね。

    Reply
  • 12月 29, 2016 at 00:28
    Permalink

    舌の形まで変わっていたんですか。気をつけなければいけないのは餅だけじゃないんですね。私もそうだけど、そこまで気がついてない人はいると思いますよ。水物はどうしてもグビグビあおって飲む感じになってしまいますが、危ないですね。コメントもらってよかった。

    Reply
  • 12月 29, 2016 at 00:13
    Permalink

    舌の奥の厚みのある付け根あたりの筋肉の衰えで、年を重ねる度に舌の奥のレベルが下がるらしいのです。そうすると、本来は食道に送り込む道筋が舌の付け根のレベルが下がる事で手前の器官ねのゲートを開けてしまうらしいですね。そこに餅など食べ物が詰まれば息が出来なくなりますね。舌の付け根の厚さを保つには、毎日舌の運動も欠かせては行けないらしいですよ。そう言う僕もさっきミカンを食べて蒸せました。辛かったですね。運転中は背もたれに身体を支えられて斜めになって水を飲むと器官に入ることも。椅子に座っていても水を飲むときや食べ物をいただく時も、少し猫背くらいに前傾姿勢でないと器官に入りますね。錠剤薬を飲むときは先ず錠剤を口に入れて、これもうつむいた状態で水を飲むと、錠剤が喉に留まらないで一気に胃に行きますね。

    Reply
  • 12月 29, 2016 at 00:01
    Permalink

    嚥下[えんげ]: 人は食事を摂るとき、食物を認識して噛み砕き(咀嚼:そしゃく)、飲み込みやすくして、口の中(口腔[こうくう])から咽頭[いんとう]へと送り込みます。 その後、咽頭[いんとう]から食道、食道から胃へと食物を送ります。年齢とともに喉の繊毛の働きが弱くなって異物などと感じて吐き出す力が弱ってきますね。器官に入ったりして蒸せるとつらいですね。器官に食べ物が入って肺に行くと、それが消化できずに腐って肺がんの発症にもつながるらしいですよ。

    Reply

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です