クラウド時代のデザイン作業

長年使ってきたソフトが次々にクラウド対応してきた。私はローカルで作業して、仕上がりを送信するだけなので、クラウドが必要だとは思わないし、余計なお世話程度に思っていたが、最近メーカーの思惑がちょっとわかってきた。

ユーザー登録したりクラウドの利用を設定すると、多かれ少なかれ個人情報を送ることになる。もちろんこれを勝手に公開したり、流用することはない。登録時にその旨が表示される。
一方、大抵のグラフィックソフトは、直前に行った作業を「UNDO」キーのワンクリックでやり直しできる。そこまでの作業手順をすべて記録してるからだ。で、この情報はいわゆる個人情報ではない。これを集めて利用するのはメーカーの勝手(?)だ。クラウドベースだと、それらが自動的に集まってくる。
また、そういうソフトを一日どれくらい使うかで、アマチュアかプロかも類推できるだろう。多様なカラーやブラシを使いわけていれば、デザイナーというよりイラストレーターだろうというように、細かく業種を分析できるかもしれない。そういう情報を、せっせとAIに詰め込む。するとどうなるか。

「プロの技術」そのものをネットサービスとして売ることができる。例えば、用紙サイズの作業スペースを用意して、メインの画像を置き、キャッチコピーを仮に置いたところでこのサービスを呼び出すと、「多くのプロがこの位置に、こんなフォントで、こういう色でレイアウトしている」という情報が表示される。
またはすべてのレイアウト要素を大雑把に詰め込んだところで、このサービスを呼び出すと、たちどころに何通りかのデザイン案に組み直され、ユーザーは選ぶだけでよくなる。

これを聞いて、とんでもないと思うか素晴らしいと思うかは、人それぞれだと思う。既にベテランとして活躍していて、独自の世界を持っているような人は別だが、そこそこのレベルのクリエイターだと、このサービスを利用するビギナーに叶わなくなるかもしれない。それどころか、そもそもデザイナーが不要になるかもしれない。

現在商業デザインでも制作物には著作権が発生し、全く同じものを勝手に作ることはできない。今後は、仕上がりだけでなく、制作過程そのものを著作物とする法整備が必要になるのかもしれない。
でも待てよ?そうなると今度は、「SALE!」の文字を赤くしようとした途端、著作権に引っかかるなんてことにも...。あーあ、これ以上面倒は勘弁してくれ。

5 thoughts on “クラウド時代のデザイン作業

  • 11月 21, 2017 at 06:42
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    僕もクラウド無信心者の一人だったのですが、先日の日曜日になんと?そのクラウドに助けられました。その日の朝はいつも通り自宅でPCに向かっていました。iPhoneで撮影した写真を取り出そうとPCとUSB接続をして作業中、iチューンが古いと更新を促すコメントにつられて、今日は多少時間もあるしとクリックしました。途端にiPhoneの画面がアップルマークだけになって動かなくなりました。電話も使えない状態です。壊れた?のかと一瞬考えたのですが、アップデートに時間がかかっているのだと暫く放置しました。画面が変わって?初期設定?画面になり慌てました。データが消えたと思ったのです。何とかIDとPWを探して前に進んで、何とか回復はしたものの、電話番号など重要なデータが心配でした。ところが何と?Iクラウドに残されていました。撮影した写真も一瞬無くなってあきらめていたのですが、今朝見たら全部残っていました。そんなわけで、クラウドに助けられたのです。

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    • 11月 21, 2017 at 08:32
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      自分が使わないので気が付かなかったですが、iPhoneもアップデートがあるんですよね。機能が増せばそれだけ複雑で重要な情報を入れることも増えますね。完全に破壊されてしまったときは新品を買って、アカウント情報を入力すると、完全復旧するんでしょうか。充電器とバックアップを兼用する装置があればいいのにと思ったら、もうあるようですね。PCとつないで充電とバックアップを同時進行させるケーブルのようです。

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  • 11月 19, 2017 at 08:15
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    生き残る事は次第に難しくなりそうですね。AI技術が進化して来たようですね。ソフト作業もロボット化されてしまいそうですね。人間は一体何をすればいいのでしょうか?

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    • 11月 20, 2017 at 07:29
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      宇宙飛行のような最先端の世界ではコンピュータは使えません。人間が一度やったことをなぞるしかできないからです。デザインもそれと同じで、オリジナルを考え出す力があれば、むしろ貴重な存在になるでしょうが、某オリンピック関連デザイナーなどは生き残りが難しくなるでしょうね。パクりなら、コンピュータにはかないませんから。

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  • 11月 19, 2017 at 08:10
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    タイピストがワープロに、写植オペレータがPCに職を奪われ、製版が自動化され廃業し、写真のデジタル化でカメラマンの代わりに長いレンズをつけた高級一眼レフをぶら下げたお爺さん、お婆さん達が現れました。つまり誰でも文字が打てて、誰もが素晴らしい写真を撮影できるようになったわけです。私の周囲でも職を失くした人たちが大勢います。家族では家内が邦文タイピストでかなりの仕事をこなしていたのですが、かなり以前に機械も多くの文字盤も大型ごみに出しました。息子の職場の写真業DPEの会社も倒産しました。ただ、私の場合はデザイン関係ですから、まさか機械化されるとは思っても居ませんでしたし、思いたくないですね。今もこうして仕事を続けていられるのは、PCを使えるようになった事でしょうか。それまでは全て手作業でしたから。ところで、便利になる一方の世界ですが?電気が止まれば、こっちの物ですね。PCで育った世代は廃業に。そうなれば、我々世代は手作業もできるわけですから。

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