ベランダ・コンポストとニューヨーク・グリーンマーケット

驚異のバイオトイレから続く)
ダンボールコンポストは最初のうちは非常に効果があるが、使い続けているうちにだんだん匂いなどが出てくる。また、長く使えばどうしても寒い季節になってしまう。そこで、バイオトイレに倣って、熱を加える方法がないかと考えた。そこで思いついたのは、FF式ストーブの背面から屋外に突き出した排気筒の熱の利用である。
最初に言ってくが、これは消防法違反であり、マンションなら共用部分の占有にもあたる。だが、思考実験は面白いし、考え続けてさえいればそのうち画期的な解決法を見つけるかもしれない。ということで「ベランダ・コンポスト」の概要は、まずベランダに小さなビニールハウスを設置する。その中にFF式ストーブの排気熱を通す。パイプを通して、排気はさらにその外にするのがいいだろう。コンポスト本体も、いずれ蒸気で壊れるダンボールではなく、木箱にしたい。また、ダンボール・コンポストでは。どんなにかきまぜたつもりでも、箱の隅に混ぜきれずに石膏化してしまう部分ができるので、木箱の内部に袋を吊って、時折振って撹拌することにした。構想はここでおしまいである。

ところで、ニューヨーク市では、近隣の小規模農家の生産物を中心街の公園に集め、「グリーン・マーケット」を1976年から続けている。スーパーなどに並ばない珍しい野菜や無農薬野菜が集まるのだが、例えばパプリカだけでも数百種類が出回るということで、個人だけでなく、市内の創造的なレストランのシェフからも評価が高い。そのウェブサイトには、コンポスト部会のメーリングリストがあったので登録してみた。

というところで、この話はおしまいである。それでも皮算用だけは膨らんで、札幌市周辺の小さな無農薬栽培農家が市の中心部で露天販売し、それを買った人が残った野菜くずなどを自宅でコンポスト化し、さらにそれを無農薬農家に還元するシステムも考えた。使うのはあくまで無農薬野菜の調理クズだけである。調理された食べ残しなどを含むと塩分や食品添加物が交じるので、無農薬の畑には使えなくなってしまうからだ。いわば意識の高い人達の間だけで回るサークルではあるのだが、ニューヨークと同じように、露天そのものやそれらを使うレストランが新しい観光資源となって、停滞気味の中心部への動員にもなるのではないかと考えた。
バイオトイレでは、し尿処理の革命というような大規模な目的ではなく、屋外施設などでの汚水処理の解決に絞ったことで、水環境の保全を実現する発明が生まれた。自分もすべての生ゴミを処理するのではなく、無農薬野菜のクズという資源を運用する小さなサイクルなら作れるのではないかと考え、その構想をまとめていくために「グリーンマーケット・サッポロ」なるウェブサイトを作ってみたりした。

もっとアイデアが煮詰まったり、情熱があれば今頃「ベランダ・コンポストの父」になれたのかもしれないが、この歳まで生きていれば、この程度のタラレバな夢のかけらには事欠かないのである。

3 thoughts on “ベランダ・コンポストとニューヨーク・グリーンマーケット

  • 10月 11, 2021 at 11:23
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    我が家では米や野菜を生産農家から買う事が多くなりました。スーパーでの野菜の高騰も原因ですが、生産者から直接安全な農産物を購入する事の方が、実際に美味しいし安心ですね。近所の人も欲しがって、我が家のガレージに一旦置いてから転売しています。勿論原価提供です。幼い頃の田舎暮らしでは食料は全て自給自足でした。

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    • 10月 11, 2021 at 11:48
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      それはいいアイデアですね。無人販売書所はどこにおいてもいいというのは、発想の転換です。無人販売の信頼関係がさらに広がった感じですね。

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  • 10月 11, 2021 at 11:18
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    江戸時代のし尿処理サイクルの現代版で立派なアイディアですね。都市と農村を結んでお互いのメリットになればいいですね。今朝も「燃やせるゴミの日」で生ごみを出しましたが、確かに今のゴミは不純物だらけで農業には使えませんね。下手すればダイオキシンの元凶でしかなくなりますね。

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