パーカー・ソーラー・プローブの驚くべき成果

NASAのパーカー・ソーラー・プローブ計画のブログで、「驚くべき成果」と題した記事が公開された。毎回最新の情報を掲載していて、わかりにくい部分も多かったが、今回はこれまでの全容がまとめられていて読みやすい。

太陽はプラズマの塊ではっきりした地表がなく、徐々に希薄になっている。その大きさを科学的に見れば、地球から見える光球よりもずっと大きいらしい。パーカー・ソーラー・プローブは、その一部に直接触れて観測を行った。太陽は、太陽風をはるか遠くまで届けている。地球にも当たり前のように太陽光が届いているが、逆に地球から太陽に届いたものは、この46億年でパーカー・ソーラー・プローブが初めてだ。

宇宙船は、太陽に向けた1枚の断熱材の盾の背後に身を隠すようにして太陽に近づく。太陽の周囲は非常な高熱だが、宇宙船本体がそれほど熱くならないのは、家庭のオーブンの庫内が200度を超える高温になっても、中身を取り出す時に手が200度になるわけではないのと同じだと、動画では言っている。
その断熱材は炭素繊維でできていて、97%の空気を含んだスカスカの物質らしい。どうやって作ったのかもわからないが、常識で考えれば97%が空気なら、それは断熱材ではなく「空気」と呼ばれるべきじゃないだろうか。

ちなみにミッション名の”パーカー”は、太陽風を予測した物理学者ユージン・パーカー博士からとっている。NASAが生存する人物の名前にちなんで名付けた、最初のセッションだ。パーカー博士は2017年の打ち上げにも立会い、その後宇宙船から送られてくるデータもその目で見、2022年3月15日に94歳で亡くなった。
このミッションは1958年に考案されたが、それを実現するための技術開発に60年をかけているという。宇宙に関する出来事はとかく壮大なスケールのものが多いが、それに関わる人間のドラマも、なかなか壮大なのではないかと思う。

2 thoughts on “パーカー・ソーラー・プローブの驚くべき成果

  • 5月 4, 2022 at 07:32
    Permalink

    太古の昔から太陽によるエネルギーの恩恵を受けている地球ですが、ここに来て更に太陽光発電などが盛んになって居ます。太陽系の惑星で地球以外にも地球と同じような星があるのかも知れませんが、それにしても不思議な事に、これだけ偉大なエネルギー源の太陽についての研究はこれまで余り聞きませんでした。もしも太陽活動が脆弱化でもしたら地球全体が氷河期になり暗黒の世界となり、これまでの人間の暮らしは不可能になるでしょうね。ユージンパーカー博士の壮大な夢が亡き今の時代に生きて来ましたね。こんな話題に比べれば、未だに国盗りゲームをして破壊や殺戮を繰り返している人間たちは、まるでウイルス以下ですね。

    Reply
    • 5月 4, 2022 at 08:10
      Permalink

      太陽観測の話は精神衛生にいいですね。心も日光浴です。残念なのはせっかくの最新情報が、知識がないのと、自動翻訳なのと、頭が高齢者なのとでチンプンカンプンなことです。パーカー博士のように、年取っても頭を使ってると長生きすんでしょうかね。

      Reply

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です