イーストサイド寿司(2014年 米映画)

カリフォルニアで屋台に住むヒスパニック系のシングルマザーが、寿司職人を目指して成長していくというストーリー。ありがちな感じがする上に、キワモノの恐れもあったが、助演に竹内豊という日本人俳優が出ているので観てみた。

朝早く起きて市場で果物を仕入れ、手慣れた手付きでカットフルーツを仕込んだら、ガタの来た屋台をひいて治安の悪い路上で売る。アルバイトで暮らす父親と入学前の娘と三人の生活は苦しいが、買ってくれる客のために天然素材のジュースを使い続ける。何ということのない毎日の生活を丁寧に描いたファーストシーンだけで、気分は応援モードである。
そしてフルタイムの職場を求めて入った、日本人夫婦の経営する寿司店で、下働きから職人の道を目指すのだが。

主人公の、生活感のある頑張り具合も見どころだが、脇を固める人々も魅力的だ。カウンターを任されている先輩職人は、前述の竹内豊である。主にアメリカで活躍する日本人俳優で、「パシフィック・ウォー」での演技が印象的だ。日本で伝統的な寿司職人として修業したが、意欲がある若者には技術をどんどん教える。現代的な職人気質の持ち主である。
日本料理など全く認めていないが、高圧的ではなく控えめな抵抗を続ける父親や、よくいる厚化粧おばさんだが、職場の難しさを丁寧に伝えて相手の覚悟を見極める社長婦人。そして店で一番腕の良い職人で、今でもカウンターに立つ社長の存在感が光る。自分にもチャンスがほしい、その権利があるはずだという主人公の訴えなど歯牙にもかけない社長は、日本人である自分からすると、西洋的な自己主張より筋が通って見える。

そんな風に、主人公は文化や社会慣習の壁にぶつかりながら、ハッピーエンドで終わる。あまり難しくない、こういう映画はいいなと思う。個人的には、料理人同士のデートは、食べてばっかりというのが気に入った。
今回はアマゾンプライムでの視聴で、レンタルビデオ店には置いていないのが残念である。

金門島

台湾海峡で緊張感が高まっているが、1976年に中国との最後の戦闘があったという台湾領の島、金門島を地図で確認して驚いた。台湾の一部というより、中国の厦門市の湾内の小島としか思えないような場所だったからだ。

中国との国境(赤い点線)で囲まれた、リボン型の島が、中華民国金門県(金門島)。大きさは日本の小豆島と奥尻島の間くらい。
日本は台湾政府を認めていないので、地図には中国との国境線は描かれていない。
中台両国の間に、このような場所があることは、地図を見ているだけではわからない。

太平洋戦争中、金門島は日本が占領していたが、終戦後日本の撤退後は中共軍と蒋介石軍との戦闘の場になった。中国からは島の全域に砲弾が届く近さで、もっとも近い場所は小銃弾も届くのではないかと思われるほど近い。米軍の援護もあり、1976年に最後の戦闘を最後に、台湾は金門島を守りきった。このときの戦闘機同士の戦いが、歴史上最後の空中戦だと言われている。

現在の金門島の住民14万人の、中国に対する思いは複雑なようだ。敵国とは言え、対岸の厦門市で、次々と高層ビルが建築される様子を目視できるだけに、経済発展の恩恵に預かりたいと考える人も多い。またインフラについても、2018年、金門県政府は台湾本国の反対を押し切って、厦門市からの水道水パイプラインを開通させた。さらに親中派の県長らは、一国二制度を導入して中国との関係を深めることも提案していたらしい。

そこでもし中国が香港の一国二制度を遵守し、穏便な運営を続けていたなら、金門県もいつか中国の一部になっていたかもしれない。が、中国の戦狼外交のおかげで、その機会も遠ざかった。この島に住む人々の不安は、我々の不安など及びもつかないだろう。いずれにせよ、今後中台両国に大きな動きがあったときは、真っ先に金門県の消息を調べるようにしたい。

金門県の人工は14万人。政庁の庁舎や繁華街は探し出せなかったが、空港や大学もある。

金門県政府HP

特訓!!

楽器店のレンタルスタジオで、ブルース・ヴァイオリンの一人特訓をしてきた。一昨年ころからカラオケ特訓を考えていたのだが、もう少しうまくなったらなどと思っているうちに、コロナ騒動が始まり、カラオケは自粛の風潮になってしまった。一人だからかまわないだろうとも思ったが、名指しで自粛しているものを禁を破る度胸はなかった。そこで楽器店のスタジオに変えたのである。

スタジオは6畳間くらいのスペースに、ドラムセットとアンプがある防音室である。持ち込んだmp3プレイヤーのバック演奏を流しながら、1時間のロングプレイに挑戦した。いつもはせいぜい10分かそこらでやめてしまうので、途中でへばるかと思ったが、とりあえずなんとかなった。ヴァイオリンは演奏ポースを続けるだけで大変なので、途中からだんだんおかしな格好になってきたが、このへんは今後の課題である。

課題はそれだけではないものの、とりあえずバック演奏をスピーカーから聞けたのが良かった。これがヘッドホンでは自分の出した音が聞き取りにくく、急かされているような気分になってしまう。なにより演奏中にヘッドホンがずれたり、コードが腕にからまったりしないのが快適だ。私はヘッドフォンとの相性が悪く、すぐコードを踏んでぶち切ってしまう。それで何個壊したことか。なくてはならないものではあるが、好きか嫌いかで言えば、大嫌いだ。
バック演奏は、ギターアンプを通して流したが、はるか昔に見たアンプとほとんど形が変わっていないように思えた。詳しいわけではないので、おそらく性能的にはずっと向上していると思うのだが。また、スイッチを切るときはボリュームを下げてからと言われた。これまた昔もそんなことを聞いた覚えがある。色も黒だけ。似て非なるジャンルのオーディオ機器は、デザインもとりどりだというのに。もしかしたらアンプというのは、ピアノやヴァイオリンと同じく、楽器とみなされているのかもしれない。

棚も壁も、楽器やアクセサリーで埋め尽くされた楽器店の空間は居心地がいいものだ。音楽の好きな人、楽器に愛着のある人しか入ってこない空間である。誰にでも彼にでもマニュアル・フレンドリーな店と違って、要件には正確に答えるが余計なセールストークもない。専門店っていいなあと、つくづく感じた。(※実際行ったのはしばらく前で、記事は予約投稿してあったもの。ここだけ読むと、コロナ第4波の最中のように聞こえるので、念の為)

error: