タンゴ札幌(オットー・ヴィット作曲)を採譜

3月30日、 アルフレッド・ハウゼ楽団の作曲家、編曲家、バンドネオンのソロ奏者 で、札幌でその生涯をを閉じた音楽家、オットー・ヴィット氏を偲ぶ「オットー・ヴィットの世界」が開催され、遺作「タンゴ札幌」が初演奏された。が、その後いつまでたっても、CDもネット動画も公開されないので、なんとか覚えた範囲だけだが楽譜に落としてみた。

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その日、会場でプログラムを見ると、タンゴ札幌が大トリではなかったので、アンコールがあると踏んだ。そして最後に聞いて帰るなら、なんとか鼻歌で覚えてきて、自分で演奏できるようにしようなどと、かなり背伸びをしたことを思いついたのである。

採譜と言ってもサワリだけ。それも間違いだらけだろうと思う。お恥ずかしいだけでなく、各方面から怒られそうなことをしたわけだが、せっかく地元の名前が入った曲である。主題者が金集めに苦労し、オーケストラが一生懸命練習してようやくできたものが、たった1回演奏されただけで終わるのはもったいない。当日会場にいた方の中には、これよりずっとマシな楽譜が書ける人がいっぱいいたはずである。自分でやるだけやってみたが、もっとなんとかならんのかなあと思う。
こういうものは、CDや音楽ファイル、動画で広まり、小規模編成のバンド用に編曲され、あちこちで演奏されて札幌市民なら誰でも知ってる、というくらいになってもいいはずだ。そして、遠い異国の地で眠るヴィット氏の墓所に、誰かが奏でるタンゴ札幌が聞こえる。この街にも、そういうドラマがあっても良いと思うのだ。

オットー・ヴィットの世界

オットー・ヴィット氏は、戦後ラ・クンパルシータなどのコンチネンタル・タンゴで一世を風靡したアルフレッド・ハウゼ楽団の、作曲家、編曲家、バンドネオンのソロ奏者で、晩年は夫人の出身地である札幌に移住し、この地に今も眠っている。そのヴィット氏の残した多くの楽譜の中から発見された「タンゴサッポロ」を、初めて演奏する「オットー・ヴィットの世界」が、3月30日、札幌文化芸術劇場hitaruで開催され、私も耳にする機会を得た。

コンチネンタル・タンゴは、欧米風のタンゴである。ドイツの民族楽器だったバンドネオンがアルゼンチンに渡り、ラテン音楽と融合して生まれた情熱的なアルゼンチン・タンゴが、ヨーロッパに渡ってオーケストラによる洗練されたポピュラー音楽となったものである。ちょうど、オードリー・ヘプバーンやマリリン・モンローなどの大スターが活躍した時代の映画や、スタジオ・ジブリ作品のテーマ曲のように、豪華だが耳に心地よく、はじめての曲でも自然に溶け込める。
ただし、こういう音楽はオーケストラの他にバンドネオン、ピアノ、マンドリンなど、様々な楽器を駆使した豪華仕様なので、それこそアルフレッド・ハウゼ楽団でも来ない限り、接する機会はないかもしれない。何年もの期間をかけてヴィット氏の作品の公開にこぎつけた「オットー・ヴィットさんのタンゴ演奏会実行委員会」に敬意を表したい。