3月30日、 アルフレッド・ハウゼ楽団の作曲家、編曲家、バンドネオンのソロ奏者 で、札幌でその生涯をを閉じた音楽家、オットー・ヴィット氏を偲ぶ「オットー・ヴィットの世界」が開催され、遺作「タンゴ札幌」が初演奏された。が、その後いつまでたっても、CDもネット動画も公開されないので、なんとか覚えた範囲だけだが楽譜に落としてみた。
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その日、会場でプログラムを見ると、タンゴ札幌が大トリではなかったので、アンコールがあると踏んだ。そして最後に聞いて帰るなら、なんとか鼻歌で覚えてきて、自分で演奏できるようにしようなどと、かなり背伸びをしたことを思いついたのである。
採譜と言ってもサワリだけ。それも間違いだらけだろうと思う。お恥ずかしいだけでなく、各方面から怒られそうなことをしたわけだが、せっかく地元の名前が入った曲である。主題者が金集めに苦労し、オーケストラが一生懸命練習してようやくできたものが、たった1回演奏されただけで終わるのはもったいない。当日会場にいた方の中には、これよりずっとマシな楽譜が書ける人がいっぱいいたはずである。自分でやるだけやってみたが、もっとなんとかならんのかなあと思う。
こういうものは、CDや音楽ファイル、動画で広まり、小規模編成のバンド用に編曲され、あちこちで演奏されて札幌市民なら誰でも知ってる、というくらいになってもいいはずだ。そして、遠い異国の地で眠るヴィット氏の墓所に、誰かが奏でるタンゴ札幌が聞こえる。この街にも、そういうドラマがあっても良いと思うのだ。