CGを作っていると、錆や汚れ、コンクリートのざらついた表面などが好きになる。本当に表面が荒れているのではなく、単純なツルツルの平面なのに、錆の画像などを貼り付けただけでそれらしく見えてしまうからだ。
また、こういう素材の表面は光が反射することがないので、光線の当たり具合で色合いが変わったり周囲の不要な物まで写し込んでしまうこともない。錆の表面はざらついているという、見る側の思い込みに乗っかって楽をしているのだ。
だが、そういう錯覚が仇になることもある。今回も油差しと汚れた布を作ったのだが、茶色のはずの油汚れ部分がどうしても血に見えてしまうのだ。人間の視覚が、血の色に過敏にできているのだと思う。