ビオラの時代がやってくる

令和になり、天皇陛下を改めて紹介する報道が増え、陛下がビオラの奏者であることも知られてきた。だからというわけではないが、これからはビオラの時代だ。形はバイオリンとそっくりだが、大きさはかなり大きく、その分音域が低い。この低い音域がちょうど女声歌手やサックスのアルトと同じあたりなので、ポピュラー音楽になじみやすい。

オーケストラではバイオリンの伴奏的な役割をすることが多く、ビオラの名曲や有名奏者も多くはないが、ポピュラー音楽では、バイオリンがその昔に一世を風靡して、ややピークを過ぎた感があるのに比べ、ビオラはこれから。スターが登場するのではないかと思う。
演奏の際は、ビオラのほうがネックが長いので、バイオリンよりも指を広げなければならない。逆にいえばバイオリンは音と音の間が狭すぎるが、ビオラはゆったりしている。邪道な言い方をすれば、バイオリンは正しい位置からちょっとでもずれて押さえても音が狂うが、ビオラはやや許容範囲が広い感じがする。

また、ビオラにはいろいろなサイズがある。バイオリンのサイズは子供の成長に合わせるものだが、ビオラは大人用でも、バイオリンと同じサイズから威風堂々たるサイズまで、幅広い。大きいものが本来の音だと言われているが、我々が手に入れられる価格帯なら、大きさではなく楽器の当たり外れの範囲内だろう。小さいサイズがあるのはそういうニーズがあるからで、そもそも楽器としての標準が決まってないような気がする。

さらにバイオリンにはエレクトリック楽器があるが、ビオラにはない。そのかわり、YAMAHAのYEV105のように、5弦でビオラの音域までカバーしたものが出ていて、このあたりが、これからのポピュラー音楽に大きな役割を果たすのではないかと思う。

ボザノバとサンバの練習法動画

バイオリンなどの擦弦楽器による、ボサノヴァの指導動画である。演奏しているChristian Howes氏は、バークレー音楽院のポピュラーバイオリンの先生だ。ネットでの指導に熱心で、私も何冊かテキストを買い、動画で勉強させてもらっている。バークレー音楽院といえば、渡辺貞夫以降、多くの日本人ジャズメンが留学した、ジャズの聖地である。Howes氏は、さらにSKYPEにより個人レッスンも受け付けているが、流石に恐れ多いので受けたことはない。

この動画では興味深い装置を使っている。足元のループペダルで演奏中の音を適宜切り取ってループ再生させ、その上に次々と新しいフレーズを積み重ねて、複数のパートからなる伴奏部を即興で作り上げている。現代ならではの、音楽の楽しみ方だと思う。

また、英語の説明なのでわかりにくいが、ボサノバやサンバの、異なる楽器のパートを声と手拍子で合わせる練習法を紹介している。もちろんパートごとに違うリズムなので、簡単にはできないが、非常に力のつくトレーニング法だ。

PLAY ALONG

YoutubeでPlayAlongというキーワードを検索すると、さまざまな曲の伴奏部分だけの動画が出てくる。これを流しながら、楽器の練習するための伴奏動画だ。たとえばJAZZをキーワードで検索すると、こんな具合に古今東西の名曲が並ぶ。ポピュラー曲のplayalongも多いようだが、クラシックや民族音楽などはあまりないようだ。曲の前にカウント音が入ってるのもあるが、入ってないのも多い。

https://www.youtube.com/user/Learnjazzstandards/videos?sort=p&shelf_id=2&view=0

楽器の練習用ではあるが、カラオケのように歌を歌うこともできるだろう。ただし、ジャズの演奏からメロディ楽器を抜いたものなので、カラオケと違って主旋律が小さく流れるといった手助けはない。どのあたりを演奏してるかはコードの流れなどを聞き取らなければならないが、そこはジャズだけに代理コードなどが多く、ちょっと聞いただけでは原曲と似ても似つかないことがある。とはいえ、動画だけ聞いてメロディラインを思い浮かべやすいものは、とっつきやすいが、音を合わせてみるといかにも「お稽古」という感じで、ちょっとダサい。逆に原曲のメロディが行方不明になってしまうような凝った伴奏は、がんばって合わせてみると「あ、セッション!」という感じがする事が多い。

また、何コーラス分か、アドリブ用のパートを用意してある演奏もある。アドリブまで手が出ないとしても、テーマの繰り返し練習にうってつけだ。実際に動画に合わせて演奏するのは、最初はきつい。単独で弾いていた時には問題ないと思っていた部分が、寸足らずだったり間延びしていたりで、これまでの上達具合いが急に後退してしまったような気分にさせられる。が、ちょっと慣れると、一人のときより助けてもらっているという、リラックスした感じがしてくる。やはり上達が早まるような気がする。

ちなみにこういう場合の著作権はどうなっているんだろう?名曲、名演奏のタイトルをつけてはいるものの、メロディが流れていないのだから、原曲の作曲家等の権利には引っかからないと思うのだが。

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