李子柒/搾菜の漬物と梅花酥の朝食

今回はVLOGの舞台でもある、四川省名産の搾菜の収穫から。中華料理店でよく出てくるが、植わっているのを見るのは初めて。根の部分かなとも思っていたが、茎だった。それを千切りにした後、塩もみして重しをかけておく。唐辛子などであえて完成だが、材料はピーナツなどもあるようだがよくわからなかった。

梅花酥の酥は中華風のパイのこと。中華風のパイは、粉と水で練った生地と、粉とラードで練った生地を包み込んだ後、折りたたんでいく。今回は粥を材料に使ったようにも見える。生地を梅の形に成形して油で揚げて梅花酥の完成である。これらを白粥に添えれば、李家の朝食のできあがりだ。 今は知らないが、お粥に、油条という揚げパンや、春巻の皮の揚げたものを入れるのが、伝統的な中国の朝食である。炭水化物と油しかないが、これがなかなか美味しい。特に 油条は日本人好みの味なので、かねがねもっと普及してほしいと思っている。

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李子柒 麻婆豆腐

当サイトで、なぜか来場者の多い李子柒シリーズ。畑に行くシーンから始まったのでもしやと思っていたら、大豆を豆腐にする所から始まった。枝豆状態の大豆を収穫していたが、畑で乾燥する前に生で使うということなのだろう。出来上がったのは、なかなかお目にかかれないほど硬い豆腐だ。
このシリーズは不思議なところがあって、伝統的な中国の生活文化を紹介しているのだが、いつも出てくる家の立地がよくわからない。麻婆豆腐が出たからと言って四川省というわけではなく、山西省の手伸ばし麺を作ったりする。画面の隅に花や果実のなった枝が映ることが多いが、それも旬や産地がバラバラな感じがする。そういうものにとらわれない、オール中国の桃源郷をイメージしたのだろうか。

ネットを調べると、タイトルはリーズーチーと読むらしい。「染」のように見えた文字は「七」だそうだ。「李子柒」という人名だと思う。四川省の田舎に祖母と暮らす女性という設定だそうだ。田舎暮らしのスキルが身についているが、他の動画を見ると故宮博物院の一室で、研究者と薬膳について話し合ったり、都市部にある自室でこの動画を編集していたりと、おそろくべき多芸多才ぶりである。特に作業する手付きが堂に入ってるので、吹き替えかとも思って目を凝らすのだが、本人が演じている部分も多く、見分けがつかない。視聴数は膨大だが、わずか5分ほどの、スポンサータイアップのしようもない内容にここまでの手をかけて、どうやってペイしているのか不思議でならない。

大根のみぞれ煮

自分が初めて考えたと思うことでも、ネットで検索するとたいてい誰かが先に考えていて、ブログなどで公開されている。が、ごくまれに、検索結果に全く見つからないことを思いつくことがある。それがひと財産築けるようなものなら、今頃それに没頭してブログどころではないが、あいにく思いつくのはとりとめのない内容ばかりだ。例えば「大根のみぞれ煮」のように。

ちょっと聞くとどこかにありそうなメニュー名だが、みぞれ煮は大根おろしで煮込むことだから、まず誰もやってない。本当に作ったらかなり貧相だろう。名人が上等な出汁で煮込めば美味しいかもしれないが。

他愛もないことでも、グラフィカルに表すともっともらしく見えるという現象は「パワポ効果」と言い、錯視の一種である。

鶏肉詰めまるごとスイカの焚き火焼き(インド)

ぶつ切りの鶏肉にレッドチリパウダー、ターメリック、塩、生姜とにんにくのペースト、ヨーグルト、カード(自家製のフレッシュチーズ)、コリアンダーを順番に入れてよく揉み込んだら、さらに玉ねぎ、青唐辛子、レモンの絞り汁、生のコリアンダーの葉を混ぜて3時間味を染み込ませる。そして、スイカをくり抜いて、木の葉とともに漬け込んだ鶏肉を入れ、フタをして焚き火で焼き上げる。

促成肥育のブロイラーが並ぶどこかの国と違って、インドで使うのは親鳥だ。たくさんの卵を生み終えた親鳥は、肉は少々硬いが味が濃縮されていて、噛みしめるほどに味が出る。タンパク質分解効果のあるフルーツと一緒に長時間蒸し上げれば、芳醇な味を残したままふっくらと柔らかい、特別な日のための鶏肉料理になる。
やがてスイカの表面が真っ黒になったころ、あたりにはスパイスと鶏肉の蒸し上がった、どこか甘い香りが立ち込め、子どもたちにごちそうが近いことを教えてくれる。

女性は言う。

「伝統料理かって?どこの世界にスイカに肉を詰めて焼く料理があるもんかね。あたしのオリジナルさ。でも味は悪くなかったよ。なんと言ってもインド料理はインスピレーションだからね」(そんなこと言ってません)

親鳥

肉の卸業者が土曜日だけ開催する一般向けのセールで、丸の「親鳥」を手に入れた。スーパーなどで売っている「若鶏」は生後50日ほど飼育して出荷したものだが、親鳥はさらに長期間飼育して、卵を産ませたもの。ひね鶏とも言われる。若鶏は身が柔らかくクセはないが、親鳥の身はずっと歯ごたえがあり、色も味もはるかに濃い。若鶏はちょっと長く煮込むとバサバサで味がなくなってしまうが、親鳥は弾力と味わいが残る。今回は丸のまま1時間ほど蒸してほぐしてみたが、噛めば噛むほど味が出てきた。

いわゆるブロイラーの丸鶏も使うことがあるが、親鳥のほうが大きいということはない。重さはどちらも1キロ前後だが、親鳥は足が長く、全体的にスリムだ。逆に若鶏が、わずか50日前後で、ブクブクに太らされているということだろう。

ちなみに鶏は、我々の食用の鶏卵を産ませる種類と、ブロイラーの鶏肉を取る品種はぜんぜん違うらしい。だから親鳥に卵を産ませたと言っても、それは若鶏用のヒヨコを孵すための卵なのだろう。ちなみにいわゆる地鶏の味が濃いのは、親鳥まで育てて出荷するからで、品種などの差はそれほどないらしい。考えてみれば、本来家庭の庭先などで買っていた鶏は、たった50日程度で食べてしまうわけがない。卵を産まなくなるまで飼育してから落としたのだろうから、本来の鳥料理の味というのは、親鳥の味だったはずだ。いわば「鶏のジビエ」とも言える食べ方だと思うが、高くなると困るので、人気は出ないでほしい。