蝦夷家紋「三つ帆立」

日本の家紋には実に多くの種類がある。そのモチーフは、動植物から自然現象、家財道具まで様々だが、北海道にちなんだものはない。歴史が浅いので仕方がないかもしれないが、開拓使が置かれてから150年以上経つのだから、北海道にちなんだ家紋があってもいいと思う。そこで今からそれらしいものを作っておき、将来、伝統的なものに紛れ込んでくれることを期待して、蝦夷家紋を作ってみた。

第一弾は「三つ帆立」。西欧では食用としてはもちろん、ヴィーナスの誕生にも描かれるなど神話でもなじみの深い貝である。日本では、ペリーが来航した際、函館港でサンプルを採取したというから、もとからいたのだろうが家紋になるほど馴染みはなかったようだ。
現在、北海道の養殖帆立は、日本全体の水産物輸出の過半を占めているほどだから、蝦夷家紋にふさわしいモチーフだが、1つだけだとどうやっても石油会社になってしまうので、3つを配してみた。三つ葉葵紋なさがらのもっともらしさになったと思う。