パーカー・ソーラー・プローブ、活動期の太陽に接近

NASAの太陽観測宇宙船パーカー・ソーラー・プローブは、9月1日に13回めの接近を開始し、9月6日には、太陽からわずか 530 万マイルの「近日点」に達する。
現在太陽は活発な活動期に入っており、地球サイズの黒点や複数の太陽フレア、地磁気嵐の発生など、すでに科学者の予想を超えた動きを見せている。

パーカー・ソーラー・プローブは、NASA の Living with a Star(星とともに暮らす)プログラムの一部である。プロジェクトの科学者であるヌール・ラウアフィは
現時点での活動は、私たちの予想をはるかに上回っているが、そこで得られる情報は、地球上の電力網、通信およびナビゲーション システム、宇宙飛行士、宇宙の人工衛星などに影響を与える可能性のある宇宙天気をより正確に予測する」と言う。
また、ミッションオペレーターは、
「宇宙船への悪影響について心配していない。太陽が何を投げかけても耐えられるように作られていて、ミッションは現時点で十分に油を注がれたマシンでだ」とミッション成功に自信を見せている。

パーカー・ソーラー・プローブ 4年間の成果

NASAのパーカー・ソーラー・プローブのブログに、新しい記事が投稿されていた。自動翻訳できる時代なので、リンクだけ紹介する。
(このカテゴリーを書き始めた頃には、ブラウザの自動翻訳がなかったので、苦心して翻訳していたものだ。)
https://blogs.nasa.gov/parkersolarprobe/

太陽に接近して直接データを観測するというこのミッションは、2018年にスタートして6年間の運用が予定されているが、現在までの4年間で、すでに多くの記録を打ち立てている。これまでの航行距離は27 億 6000 万マイル(約44億4180万キロメートル)で、ほぼ太陽から海王星までの距離にあたる。1977年に出発した観測船ヴォイジャー1号の場合は、2012年の太陽系脱出までに35年かかっていたから、桁違いのスピードだ。もちろん人工飛行物の最速記録である。

パーカー・ソーラー・プローブは計画ではあと2年の期間が残っているが、太陽はこれから活動期に向う。いわばこちらもより一層コロナの驚異にさらされるわけだが、ブログでは宇宙船の堅牢さと計画の成功を、自信を持って語っている。

パーカー・ソーラー・プローブの驚くべき成果

NASAのパーカー・ソーラー・プローブ計画のブログで、「驚くべき成果」と題した記事が公開された。毎回最新の情報を掲載していて、わかりにくい部分も多かったが、今回はこれまでの全容がまとめられていて読みやすい。

太陽はプラズマの塊ではっきりした地表がなく、徐々に希薄になっている。その大きさを科学的に見れば、地球から見える光球よりもずっと大きいらしい。パーカー・ソーラー・プローブは、その一部に直接触れて観測を行った。太陽は、太陽風をはるか遠くまで届けている。地球にも当たり前のように太陽光が届いているが、逆に地球から太陽に届いたものは、この46億年でパーカー・ソーラー・プローブが初めてだ。

宇宙船は、太陽に向けた1枚の断熱材の盾の背後に身を隠すようにして太陽に近づく。太陽の周囲は非常な高熱だが、宇宙船本体がそれほど熱くならないのは、家庭のオーブンの庫内が200度を超える高温になっても、中身を取り出す時に手が200度になるわけではないのと同じだと、動画では言っている。
その断熱材は炭素繊維でできていて、97%の空気を含んだスカスカの物質らしい。どうやって作ったのかもわからないが、常識で考えれば97%が空気なら、それは断熱材ではなく「空気」と呼ばれるべきじゃないだろうか。

ちなみにミッション名の”パーカー”は、太陽風を予測した物理学者ユージン・パーカー博士からとっている。NASAが生存する人物の名前にちなんで名付けた、最初のセッションだ。パーカー博士は2017年の打ち上げにも立会い、その後宇宙船から送られてくるデータもその目で見、2022年3月15日に94歳で亡くなった。
このミッションは1958年に考案されたが、それを実現するための技術開発に60年をかけているという。宇宙に関する出来事はとかく壮大なスケールのものが多いが、それに関わる人間のドラマも、なかなか壮大なのではないかと思う。