昨年9月の接近の際、NASAのパーカー・ソーラー・プローブが過去最大級の「コロナ質量放出」の中を通過し、観察したことがNASAのブログに載っていた。
太陽は、時折電磁波などを爆発的に放出する「フレア」をお越し、地球上の電子機器などに影響を与えることは知られていたが、「コロナ質量放出(CME)」は太陽の内部から大質量の物質がプラズマ状態で放出される現象で、1970年ころに初めて観察された。
コロナ質量放出の重さは、10億トンにも上り、速度は秒速30キロから3000キロメートルに達する。今回の観察で、CMEの放出によって太陽の周囲に漂う塵が吹き飛ばされ、黒い真空の箇所ができる様子を確認した。
CMEは地球に届くことは少ないと言われるが、到達した場合は人工衛星やさまざまなインフラ設備の電子機器などに大きな影響を与えると考えられている。
Parker Solar Probe
Parker Solar Probe 6回目の金星フライバイに向けて軌道修正
パーカー・ソーラー.・プローブ、15回めの太陽接近
NASA のパーカー・ソーラー.・プローブは、3 月 17 日に太陽への15回目の接近を完了し、太陽表面から 530 万マイル以内に到達した。
今回の接近は、地球や他の太陽観測宇宙船からパーカー・ソーラー・プローブの姿を観測できる位置で行われた。これは3~4軌道に1回しか起こらない位置で、太陽風が太陽系内に届くまでの変化などを確認する絶好の機会だという。このため世界各国の40の天文台が、遭遇前後の数週間、可視、赤外線、電波望遠鏡を太陽に向けて観測するキャンペーンを行った。
動画
接近中、宇宙船は時速 364,619 マイルで移動。これはニューヨークから東京までわずか 1 分強で飛行するのに十分な速さである。
前回の記事で、2 月 13 日にパーカー・ソーラー・プローブ装置の電源を入れ直した後、自律システムをオフにしていたが、3 月 10 日に正常に復元。すべてのシステムが正常に動作しており、良好な状態で今回の接近遭遇に参加した。