サーチライト

アメリカの刑事ドラマなどで、逃げ回る犯人や車を上空からヘリで追い、サーチライトで照らすシーンが良く出てくるが、あれを経験したことがある。ヘリに乗ってたわけではなく照らされたほうだが、もちろん犯罪を犯して逃げてたわけじゃない。
その夜は付近で何か事件が発生したらしく、上空をヘリが行き来していたのは気がついていた。確かコンビニか何かに行くために夜の歩道を歩いていたのだが、背後のビルの影から突然ヘリが現れて、真上からサーチライトを当ててきた。
ライトは非常に明るいが、決して目がくらむと言うほどではなかった。その代わり、自分の周囲を真っ白い円筒形の壁が取り囲んだようになり、その先が全く見えなくなった。見えるのは自分の立っている丸い地面だけ。数歩先に穴があっても、車が向かって来ていてもわからない。とりあえず立ち止まるしかなかったが、ドラマの犯人のように走って逃げようとしても、自分がどっちを向いてるのかも分からないし、多分何かにつまずいて転んでしまっただろう。車に乗っていたら、間違いなく何かに激突する。

ドラマを見ていて、サーチライトで照らしても、横道に入ってしまえばいいのだし、ヘリで直接車を止める方法がないだろうと思っていた。要は追いかけて見逃さないようにするためだけのものかと思っていたが、どうしてどうして実用性がある。大げさなようだが、ムダに金はかかっていない。

ゼログラビティ

軌道上の浮遊物(スペース・デブリ)との接触事故で、機能を失ったスペースシャトルからの帰還。アカデミー賞の、映像関係賞を複数受賞。息苦しいに決まってるので、気力が充実してる時に見ようと思っていたアメリカ映画「ゼロ・グラビティ」を観た。サンドラ・ブロック、ジョージ・クルーニーという、エンターテインメントなキャストなので、息をつける場面もあるかと思ったのだが、容赦なかった。

CGにせよ、クレーンで吊るにせよ、無重力の表現は大変だ。それだけにさまざまな映画で無重力シーンが評価されてきたわけだが、この作品では全編無重力シーンである。1時間30分の比較的短い作品だが、全編見所と言っていいだろう。言葉で說明する意味のない、映像でなければできない、映画らしい映画だ。

事故の原因になるのは、地球軌道上を浮遊するスペース・デブリ。人工衛星のかけらやロケット発射時の多段ロケットの部品など、人間が宇宙に打ち上げた様々な機械やその部品だ。これらは、いつかは重力に引かれて落下して途中で燃え尽きるのだが、それまでの間、猛烈なスピードで軌道上を回り続ける。映画で事故が起こったISS(国際宇宙ステーション)は高度400キロで、90分に1回地球を回るので、そこで発生したデブリは時速27,700kmで飛んでいることになる。強力なライフル銃から発射された弾丸の10倍ほどのスピードなので、小さなボルトやビスでも、宇宙船本体や人体を軽々と貫通してしまう。そんなことで大丈夫なのかと思うが、全然大丈夫ではない。宇宙ステーションの壁は空気さえ漏れなければ特別に頑丈に作る必要はないので、いわばペラペラだ。デブリを弾き返すことなどできないのだが、宇宙は広いので、まあ、大丈夫でしょうということになっている。が、もし衝突したら、間違いなく映画のようなことが起こる。

映画では軍事秘密の漏洩を恐れた中国が、衛星を爆破したことから始まる。これはおそらく現在でも行なわれていることだろう。そうして発生するデブリだけでも十分危険だが、これらはやがてさらに恐ろしい事態を招く、と考えられている。
比較的大きなデブリ同士がぶつかると、どんどん小さな破片に分解していって、またそれが別なデブリに衝突して新たなデブリが増える。このペースが地球に落下するペースを上回れば、地球の軌道上はデブリの雲で覆われたようになり、その区間を通行する宇宙船は、猛烈なスピードの弾丸の雨の中に突っ込むことになる。つまり、人類は地球に閉じ込められてしまい、世界は気象、通信、GPSなど、あらゆる人工衛星がなかった時代に逆戻りしてしまう。
その昔工場が「廃液は海に流しているから大丈夫」と言っていたのと同じことを、宇宙で起こすわけにはいかないので、どうやら対策がはじまったようだ。日本でも、自衛隊の中にデブリ処理などを行う宇宙部隊が創設された。

ところで映画のエンドクレジットに、エド・ハリスの名前を見つけた。NASAのミッション・コントロール・センターからの声を演じていたらしい。NASAと言えばエド・ハリスだが、意外にもNASA物は「ライトスタッフ」と「アポロ13」だけだった。

日本経済再浮上!

どうやら日本経済は本格的に再浮上しつつあるらしい。今頃そんな事を言ってるのという人もいるかもしれないが、何しろ地方住みだと、なかなかそこまで断定できないでいた。が、ここ数年は空気が変わってきたと感じるようになり、今年の元旦の記事は景気良くこのタイトルで行こうかと思っていたほどだ。もっとも昨年はミサイルのせいで楽観的な気分ではいられなかったが、最近はモノが売れている、ディスカウントからプロパーに売れ筋が移りつつあるという話題を目にするようになった。

企業にとってはこれからが正念場で、モノが売れる時代になった、じゃあうちも売ろうかでは遅いだろう。ましてや今までと同じことをやっていて、黙って業績が上がることはない。経済成長期、バブル期でさえ、あらゆる企業が儲かっていたわけではなく、多くの企業が、チャレンジに抵抗感がなかったから、業績を拡大させた企業が多かっただけのことだ。十年一日の経営をしていたところはちゃんと潰れたが、そのことが話題にならないのは、彼らが発言権を失ったからだ。業界全体が伸びていても、ライバルだけが強くなってるのでは、かえって環境悪化したことになる。もっと早く、もっと強く、もっと大胆に。いまからやることは沢山ある。

これから32年ぶりの、しかも大葬なしの改元、そして22年ぶりのオリンピックと慶事が続く。不況の中に生まれた若者にとっても雇用環境が改善してきた中で、国をあげてのお祭りを体験することになる。外国人観光客も、2020年までの目標を先取りで達成しそうだ。これらはすべて”人が動く”出来事だ。関わる人間が少ない半導体の景気が良い、などとは別次元のダイナミックさがある。時代に合わせた変化ができるかどうかが大切だ。

自動運転用の、人工知能開発を手伝うことになった話

ついにおかしくなったと思われても仕方のないタイトルだが、自動運転に関する研究と開発が、メーカーの研究所だけでなく我々の身近でも行なわれていて、しかも知らないうちに協力しているという話。

さて、ウェブサイトに問い合わせしたり、自分のアカウントにアクセスする場合に、下記のようなチェックをさせられたことはないだろうか。
これは機械が読み取りにくい文字を入力させることで、アクセスするのがプログラムではなく人間であることを確認するためのものだ。では最近、同じような確認画面で下記のような画面が出るのに気がついただろうか。
9つの画像のうち、「道路」だけをクリックさせるもので、目的は上のものと同じ、人間であることを確認するためのもの。標識だけをクリックさせるなど、いろいろなパターンがある。実はこの認証作業が、車の自動運転を行う人工知能に、道路環境を覚えさせるための教育になっているという。

複雑な要素が絡み合う公道での運転は、そう簡単に自動化できないし、あまり安易にやってほしくないところだ。また、人間がプログラムしたところで、あらゆる場合を想定した反応を用意することはできない。そこで、自動運転用の人口知能を開発して学習させるための人工知能を作り、人間が直接タッチせずに、新しい人工知能の開発とテストを繰り返させている。その一端が上記の認証システムだそうだ。

無数の人間が、アクセスの際の認証作業をすることで、同時に人工知能が交通環境を学習させる。人工知能を作っては廃棄し、より高度な判断力を持ったものを育てていくらしい。こういう風に人工知能に場数を踏ませて学習させることを、ディープラーニングというらしい。我々個人が日常的な操作を通じて、自動運転実現の鍵を握っているというのが今回の偉そうなタイトルだ。

発展したシステムは理解不能なブラックボックスになりやすいが、開発のごく初期は、単純でわかりやすい事柄からスタートする。いつか自動運転が登場しても、当初いろいろな事故を起こして、その犠牲の上になんとか使えるものができるのではないかと考えていたが、どうやら開発者はそのへんも読み込み済みだ。ちゃんと地に足の着いた、地道な作業から手がけているらしい。

潜没潜水艦を発見

まずは、防衛省の発表から。

潜没潜水艦及び中国海軍艦艇の動向について(第1報)
1月10日(水)午後、海上自衛隊第6護衛隊所属護衛艦「おおなみ」(横須賀)及び第5航空群所属「P-3C」(那覇)が、宮古島(沖縄県)の東北東の接続水域を北西進する潜没潜水艦を確認しました。
その後、当該潜水艦は引き続き北西進し、1月11日(木)午前、宮古島の北北東の接続水域から出域、東シナ海に進出しました。さらに、当該潜水艦は1月11日(木)午前、大正島(沖縄県)北東の我が国接続水域に入域したことを確認しました。

潜没潜水艦とは、水中に潜んでいる潜水艦のこと。隠れて攻撃ができる戦闘状態にある、ともいえるが、「ありゃ、発見されちゃったの!?」と、世界中で大笑いするところでもある。

潜水艦の特長は隠密行動だ。海中はレーダーも電波も使えないので、一旦潜ってしまったらまず発見できない。アンテナの先でも水中から出さない限り、味方と連絡を取ることもできない。だからいきなり東京湾に浮上して、誰にも邪魔されずにミサイルをぶっ放すこともできる。
その代わり、一旦発見されたら非常に弱い。味方にさえ見えてないのだから、発見したという発表をしないで、そのまま撃沈してしまっても誰も文句は言えない。次に無線連絡をしてくるまでどこで何をしているのかわからないのだが、その連絡が永遠に来ないだけだ。
どこの国の潜水艦か発表してないところもポイントで、もちろんあの国だとわかってはいるのだが、「どこの誰か知らないが、潜水して近づくととんでもない目に会うぞ」と警告しているわけだ。

日本海は、日本の潜水艦作戦の独壇場だ。大分昔に海上自衛隊の幹部の講演を聞いたことがあるが、日本海で何処かの潜水艦が潜望鏡を上げたら、その瞬間戦闘機と護衛艦が駆けつける体制ができているそうだ。とにかく潜水して航行する潜水艦は敵なので、冷戦時代は、米ソを問わず、潜水艦を見つけ次第追いかけ回して相手の音を録音し、ソナーを当てて追い払っていたという。レーダーの使えない水中では、潜水艦の発する独自の音が頼りなので、それを録音されてしまうと自分の動きが筒抜けになってしまう。さらにソナーを当てるというのは、魚雷の狙いをつけたぞということだ。

発表では11日午前中に発見とあるが、間違いなくそれよりずっと前に見つけていただろう。日本の潜水艦が後を尾けていたかもしれない。日本の潜水艦といえば、こと日本海では乗員の技術は世界一なうえ、世界で一番深いところから発射できる魚雷も持ってる。そして対潜ミサイルや魚雷をたっぷり積んだ護衛艦まで加わって、まる1日追いかけ回したのである。某国の船員は、生きた心地もしなかっただろう。丸裸にされ、背中からバンバン威嚇射撃をされながら逃げ惑うようなものなのだから。