AI編集とPDF出版

このところ立て続けに、ChatGPTとのセッションをPDF化して公開しているが、これが実に面白い。情報はすべてAIのものなので、著作というのは抵抗があるが、それを引き出し編集する作業は、自分の知識や経験が触媒として機能している感じがして達成感がある。決して完成度が高い訳では無いが、経験上達成感を感じる物事は、続けていればそのうち何かに化けることがある。

ブログの記事はリンクで参照したり引用してもらえるが、ダウンロードするのはちょっと難しい。だが、PDF化してサイトで公開すればPCにダウンロードして手元に置いてもらえる。小規模な出版とも言えるだろう。さらにAMAZONならPDFを原稿として、無料で電子出版として正式に出版でき、価格を付けて販売もできる。その上、オプション費用がかかるが1冊単位で紙の製本もできるから、受注生産も可能だ。

売れるかどうかは実力次第、運次第だが、以前は個人が出版するのは大変だった。個人出版には相当な金がかかるし、出版社から出版してもらうにはコンテストに入賞するか、編集部に原稿を持ち込まなければならなかった。レベルに達するまで研鑽しなければならないし、やはり地方より大都市に住んでる方が有利だったはずだ。そのへんの障壁が一気に取り払われたわけだ。自分はそこまでする気はないものの、やればできるというのは夢がある。
もちろん弊害もあり、すでにAMAZONでも安易なAI生成本が登場し始めたようだ。また、AMAZON出版には、アメリカの国税への申告が必要などの厄介もある。が、若い頃文筆業を志望だったが、生活のために断念したというような人は、自分の時代が来たと思って再チャレンジする価値があると思う。

ガンプラ

「ガンプラ」というのがガンダムのプラモデルで、大変な人気なのは知っていたが、1枚のランナー(部品がついている枠)に色違いの部品が一緒についているのは知らなかった。

プラモデルは子供時代にしか作ったことがなく、当時はすべての部品とランナーは同じ色のプラスチックだった。戦車なら灰色、零戦なら深緑というように、現物に近い色ではあったが、箱絵と違って細部は色分けされていなかった。部品からプラスチックのはみ出し(バリ)があって、完璧に仕上げるにははみ出しを削り、ヤスリを掛けた上で多数のプラカラーで彩色するのだが、そこまでは手が届かなかった。
ガンプラは同一のランナーに色違いの部品がついているだけでなく、接着剤なしで組み立てられるし、バリもない。プラモデルの醍醐味が希薄になった気もするが、今思えばもともと子どもには敷居の高い遊びだったようにも思える。

プラスチックの金型というのは高度な職人技が必要で、費用も高く、部品の色ごとに別の金型を作らなければならなかったが、現代は3D-CADやカッティングマシンなどを駆使しているのだろう。さらに色違いのプラスチックを流し込むのだから、流量や流速などをシミュレートしているのかもしれない。金型の個数だけでなく、使用するプラスチックの量やパッケージの省スペース化、物流の効率化まで達成している。非常に高度な技術だと思う。

こんなふうにプラスチックが流し込まれている。もちろん顔まではできない。

2ペンスをWikipediaに

最近、検索エンジンの検索結果に、真っ先にAIの回答が出るようになった。以前は大抵のキーワードでWikipediaが真っ先に上がっていたが、最近は検索結果とも広告ともつかないサイトが上位になり、AI回答のせいで、Wikipediaはさらに下位に登場するようになってしまった。また、以前は何でもまずはググって、続いてWikipediaをチェックしていたが、最近は直接AIに聞いてしまうことが増えた。

そんな中、Wikipediaに300円の寄付を募るメッセージが出るようになった。寄付としては少額過ぎて助けにならないだろう、スタッフのコーヒー代で消えてしまうとも思ったが、ふと考えた。例えば誰かが300万円寄付しても助けにはなるだろうが、同じ額なら300円ずつ1万人から集まったほうが価値がある。それこそがネットならではの解決法だ。そう思って寄付してみた。するとメッセージが出なくなったので、ちゃんと相当数の支援者がいて、予定額に達したのだと思うことにした。

AIとのセッションはぐんぐん必要な情報に突き進む感じが楽しい。同じ文字情報でも、こちらの質問にしたがって順番に応答してくるので、頭に入りやすい。正確性を確認するクセがなくなってしまいそうだ。AI自身も、回答内容はWikipediaなどで確認することが望ましいと言っていたくらいだから、人間が書き込んでいるWikipediaの価値はむしろこれからが真骨頂かもしれない。

この記事を書いていたおきに、なんとなく映画「メリーポピンズ」の挿入歌、「2ペンスを鳩に」を思い出した。この映画の原作が発行された1936年当時のイギリスで2ペンスは、現代の日本でだいたい230円~300円の価値だそうだ。