John Coltrane(1926 – 1967)の曲。
なぜサムネールに子供が,、と思ったかもしれないが、実際に子供なのだ。ジョーイ・アレキサンダー(2003年生まれ!)の、5年前(!!)だから11歳(!!!)の演奏である。
演奏は自由自在で長めのイントロから始まる。コルトレーンはどこに行ったかと思う頃に、ベース、ドラムとともにおなじみのテーマが始まる。もともとがどこに連れて行かれるかわからないようなややこしいコード進行で、うかつに手を出せないような曲だが、自分なりにしっかり消化し、さらに本家へのリスペクトも十分感じられる。堂々たる練達ぶりだ。
ジョーイ・アレキサンダーは、インドネシア バリ島生まれで、父親のジャズ・アルバムを聞きながら独学でピアノを身につけたという。
楽器は体格にも左右されるので、どんなに指が動いても、小柄だとなかなか音圧が出ないのだが、力負けした音がない。体は子供だが指がかなり長い。大人の私より長いのではないだろうか。
他の動画では、コルトレーンだけでなくソニー・ロリンズやビル・エバンスなど、普通のプレイヤーなら気後れしそうなジャズの巨人の十八番を、次々自分のものにしている。詩情あふれるソロがあるかとおもえば、ソウルフルなゴスペルもあるというように、音楽的な引き出しの多さも感じさせる。さらにオリジナルもあるそうだ。もしかしたらあまりに若いので、音楽のジャンル分けや、古い新しいなどにおかまいなく、あるがままに良いと思ったものを受け入れているのかもしれない。
若い頃にジャズを聞いたときは、コルトレーンなどの巨人たちが、ジャズを行き着くところまで高めてしまって、後は衰退しかないんじゃないかと思ったが、長生きはするものである。こうして、巨人の偉業を踏み台にしていく才能が現れるのだ。とはいえ、11歳というのはどうにも信じがたく、これは全部CGと合成音楽でしたと言われたほうが納得がいくくらいだが。