ビクター ヤング(1899] – 1956)の曲。演奏はソニー・ロリンズ。
テンポにとらわれない叙情的なソロから始まって、ドラムとベースによるシンプルでリズミカルなトリオ演奏へ。サックスの醍醐味を味わい尽くすようなゾニー・ロリンズの演奏である。
アーチストによって、ソロ部分を新たな旋律として演奏する人と、リズムや和音の奔流として演奏する人がいる。ロニー・ロリンズは代表的な前者のプレイヤーだろう。また、どちらのタイプにも、あらかじめ引き出しにある十八番のフレーズを取り出してくる人と、本当の即興をする人がいて、彼は後者のタイプだろう。ステージでも次々新しいフレーズを紡ぎ出すあまり、打ち合わせを超えてソロ時間がどんどん延び、まわりの演奏者がテーマに戻るタイミングを測りかねてしまう、という光景を何度か見た。きっと冒頭のようなソロを、延々と拭き続けていられるのだろう。そんなふうにできたら、どんなに楽器が楽しいだろうと思う。
ところでこの動画には「Auto-generated by YouTube.」、You Tubeによって自動的に作られた、という文字がある。よく意味が分からないが、公式サイトだって管理者によって情報提供にマメだったりそうでなかったりする。過去のアルバムだけでなく、後に発掘されたライブや放送の動画もAIなどがきめ細かく拾い上げて、まとめてくれているのだとしたらうれしい限りだ。
演奏が高度過ぎて、サックスの運指の凄さを想像してしまいます。これだけのアレンジは手の指が十本では足りないのではないかとさえ思いますね。スローなメロディーでハッキリした楽曲しかイメージしていなかったので高度なジャズ奏法に意外でした。かなり若い時の収録ですね。
伴奏者によって、リズムや和音で助けてもらえないうえ、ノーテンポというんですから本当に難しいですね。素人プレイヤーは伴奏があっても、ついていくだけで一苦労です。現在93歳だそうですが、モダンジャズの古い時代から活躍して、けっこう近年までステージもやっていたようです。まさに巨人ですね。