鼻歌

楽器をやってる人は、「鼻歌が大事だ」と言う。弾きたい曲はいつも鼻歌で歌うようにしなさいという意味だ。鼻歌で歌えないようなら演奏もできない、と言われたこともある。プロの演奏には、楽譜にない装飾音が入っていたり、小節をまたいでテンポをずらしたりというような、細かい演出が施されている。その演出こそがプレイヤーの真価であり、そういう演出なしの楽譜通りだけなら魅力が半減してしまう。

名プレイヤーの演奏は、心に残る分、なんとなくわかったような気になってしまうが、自分で演奏しようとすると案外大事なところが頭に入ってないことに気がつく。楽譜にない演出部分までしっかり頭に入れるには、鼻歌が効果なのだそうだ。特に歩きながら鼻歌を歌うと、テンポを合わせる練習にもなる。お手本のプレイヤーが、わざとためを作ってタイミングをずらしていた部分などに気がつきやすい。
余談だが、英語圏のポピュラーソングが好きな人は多いが、英語は発音や強弱、音程の他に、リズムやテンポも聞き分ける言語なのだそうだ。ちょっとピンとこないが、同じ単語でも「タンタカタン」のリズムで発声するか、「タタンタタン」で発声するかで通じ方が違ってくるのかもしれない。だとすれば英語恐るべし、鼻歌練習こそごきげんプレイへの道である。

ところで、昔は仕事中でもなんでも、鼻歌まじりのごきげんな人をよく見かけたが、最近はめっきりいなくなった。同じ年寄りなら、キレる年寄りよりも鼻歌じいさんになろうと思う。

鼻歌を楽器の音に変えるソフトがある。サイトで試すこともできるようだ。
https://sites.research.google/tonetransfer

2021さっぽろオンライン雪まつり

実行委員会によれば今年のさっぽろ雪まつりは、大雪像の設営や会場への集客をやめ、オンライン雪まつり等だけを行うらしい。サイトを見ると
オンラインさっぽろ雪まつりの開催
雪まつりをはじめとしたイベントやウインタースポーツなど札幌の冬の魅力を紹介する動画を作成し、公式HPや市内各所の既設のビジョンに加え、イベント期間中に仮設するビジョン等を通して発信
②これまでの雪まつりの歴史の発信
③市民の応募による「雪」をテーマとした写真コンテストの実施
④公式HPを通じた札幌ならではの物販の展開
とある。実質中止のようなものだが、こういう時に札幌市や市民がどう動いたかは、雪まつりの将来に大きな影響を与えるだろう。

もともと雪まつりは市民参加型の雪像まつりで、例えば学校の校庭など、会場も市内各所に散在していた。自衛隊の参加や大雪像、雪のイベントステージなどもなかった。だから大雪像がなくなったとしても、原点復帰しただけのことである。
例えば次の画像は、近年東京でまとまった積雪があった翌日に、各所で見られる自主雪像だが、これを見た時に、「やられた」と思った。このままでは面白さの点で東京雪まつりに負けてしまうかもしれない。本家の大雪像が、個人宅の玄関先に一晩で作った作品に、「いいね」数で負けてしまうことだって起こるかもしれないのだ。

そこで札幌でも、こういった個人が自宅などで自由に作った作品をエントリーできるコンテストを開催するのはどうだろうか。ネットで写真、動画での参加になるから、本家の責任において公正なレギュレーションを設け、いつ雪が降るかわからない本州へのハンデとしてエントリー期間も長くとる。「欽ちゃんの仮装大賞」なみの参加型イベントにならないだろうか。

ピンソン肉店

パリとルマンの中間あたりに位置する街、シャルトル。そのソレイユドール通りで長年営まれてきた肉店を紹介するドキュメンタリー。1892年に建てられた赤い大理石をベースにした建物は、フランスの歴史的建造物にも登録されている。
扱っているのは牛と羊だけで、豚や鶏はおいていない代わりに仔牛がある。そのへんが日本の肉屋とは違うところだ。店でしっかり熟成させた肉は小豆色で、筋や脂を掃除して、客の料理に合わせて下ごしらえする。ひき肉を専用の型に入れてから渡すのは、そのままハンバーグのように焼いてしまうのではなく、昔ながらのヨーロッパの肉店のやり方だ。

建物や主人のたたずまいから仕事の仕草まで、ちょっとマネのできないレベルで全てが絵になっている。これも、長い年月をかけて培ってきたものだからだろう。今からマネをしたくても,、おそらく衛生面などでこれと全く同じやり方を新たに始めることはできないだろうと思う。
残念ながらピンソン肉店は現在では廃業し、店だけが残っている。ストリート・ビューでも確認できるが、たとえ文化財として残ろうと、お店というのは商品と店員と客がいなければ抜け殻にすぎない。