「お役所仕事」考

企業などの組織では、頻繁に会議が開かれ、しかるべき部門から通達されると同時に議事録が作成される。が、記録を残しただけでは、例えば創業100年を超えるような企業で、かつてそういう会議があり、社の方針として決定されたことをどうやって知るのだろうか。誰も覚えてないなら、まあいいやということかもしれないが。

そこで国会という厳正な場での決議を法令として運用していかなければならない官庁で、長年運用のなかった過去の法令をどう発見するのか、民間企業とは違う画期的な仕組みがあるのか、ChatGPTに聞いてみた。すると、なぜ高学歴者が優遇されるのか、なぜ時間がかかった上に満足の行く結果が得られないように見えるのかなど、「お役所仕事」の実像が少しわかった。
いい歳をしてこんな常識も知らないと、恥をさらすことになるかもしれないが、AIとはいえ、丁寧に解説してくれたのを読み捨てるのは気が引けるので、後日追加で行ったセッションと合わせて公開した。下記バナーからダウンロードできるので、ご笑覧を。

HACCPのサンマ

目黒のサンマという落語の演目がある。日頃安全管理されすぎて味も素っ気もないものばかり食べていた大名が、目黒で庶民と同じサンマの塩焼きを食べて大感激する話だ。誇張はあるが、実際の大名の食事も美食とは程遠いものだったらしい。出典は忘れたが、江戸時代の初期、将軍に拝謁するため江戸城に集合した大名が持ち寄った弁当を食べることになったが、上杉家当主の持ってきた弁当には鮭の塩焼きが入っており、それが珍しいと大名同士で味見をしあったという記録がある。

戦国時代が終わったばかりで、侍社会もまだ質実剛健だった話だが、江戸時代が進んでも大名の食事は安全第一なだけでなく、好き嫌いも言えず、決められた時間に決められた量だけ食べておかわりもできず、残しでもしたらたちまち医者に診させられたらしい。サンマを蒸してから毛抜で小骨まで抜いてから供されたという落語も、あながち嘘ではなかったようだ。

で、HACCP(ハサップ)である。NASAが定めた食品製造の衛生管理手法で、宇宙飛行士に万が一の食あたりなどがないように定めたものだ。さまざまな食品製造工場がこの基準に合わせて操業しているが、このたびさらに、漬物製造でもHACCPの採用が義務付けられるらしい。莫大な設備投資が必要になるだけではなく、材料の扱いから温度など、漬物屋で修行したこともないNASAの素人が決めた基準を守れという。地域のお婆ちゃんが納屋みたいな場所で作ってたおいしいいぶりがっこは売れなくなり、消費者はリアルな大名の食事を強いられる。ということでタイトルをなんとかサゲにつなげたが、なんともおあとがよろしくないようで...。

タイトル画像の話 / 無題

特に新しいスキルは使わなかったが、コツコツと手間だけはかけた作品。クラフト紙の質感を生かしたいので他の材質は使わなかった。アルファベットは数が多かったが、文字を作るより配置のほうが面倒で、なかなか気に入った並べ方にならなかった。が、そういう試行錯誤も楽しみのうちである。実際に作ったほうが楽しいかもしれないが、完成しても置く場所もない。日本人は手先が器用なので、潜在的にクラフト指向のある人は多いだろうが制作環境を持てない人も多いだろう。3DCGはむしろそういう人がいじるといいかもしれない。

https://www.gpfarmasi.id/