近年は、冬はサブスク映画を契約することにしている。作品は玉石混交だし時間もないので通年契約するほどでもないが、間を置くと作品が入れ替わっていて、高評価で気になっていた作品などを追っかけ鑑賞できるのがいい。
「シング」は2016年公開、フルCGのミュージカル・コメディ映画。動物が人間のように暮らす世界の、劇場主と歌に魅せられた者たちが織りなす、ハートウォーミングなコメディだ。一見子供向けのようだが、暴力金貸しや窃盗団、カジノと夜の女など、キャラクターや舞台はなかなかの大人風味。主人公も借金まみれで電力を止められ、お隣から盗電するなど、「良い子はマネしないように」ぶりである。
タイトルの通り歌がテーマで、60曲もの名曲が挿入されている。かなり幅広い層の観客が、懐かしく馴染み深いメロディに出会うだろう。最近のCGキャラクターは緻密に作られていて、表情もしぐさも実に豊かなので、まるで脇役まで名優で固められているかのようだ。さらに、延々と続く市街地のセットをわずか数分の一秒で通り過ぎたり、様々な動物で大勢の観客を作ってそれぞれ違う反応をさせたりと、贅沢に手間ひまをかけて作り上げられているので、歌中心のシンプルなストーリーが生きてくる。
劇中で、ネズミのマイクが歌い上げる「マイ・ウェイ」の動画があった。帽子とイントロでシナトラ版のカバーだとわかる。歌だけでなくサックスも上手いマルチなエンターテイナーだ。
![](https://oldbadboy.com/wp-content/uploads/2022/12/mikemyway.jpg)
ちなみに2016年には、続編の「SINGネクストステージ」が公開されている。前作のメンバーがラスベガス(?)の豪華ホテルで、大がかりなショーを繰り広げる。現実のステージでは不可能な演出が見ものだ。単なる続編以上の良い出来で、これでシリーズとしての地位が確立されたと思う。
面白かったです。描き込んだアニメと違ってリアルですね。最初幕が開いた途端驚きました。歌手の鼠の前のマイクです。実際に人間もこんなドでかいマイクで歌ったら凄い音響ではないか?と思います。人間たちが演じるミュージカルより入り込みやすいですね。英語すべては理解できなくても想像力を養わせてくれそうなつくりですね。
トムとジェリーのように、英語がわからない人にも伝わるように、大げさな表情や動きで作っていた伝統が生きているんでしょうね。技術的には毛の生えたものを操作するのは大変で、昔はトイ・ストーリーのように、ビニール人形という設定にして、ツルンとしたものしか登場させられませんでした。この映画は動物なので、毛の生えたキャラクターばかり。製作者の得意顔が見えるようです。