ほうじ茶と焙烙

抹茶は海外でもすっかりポピュラーになり、さらに最近は麦茶や玄米茶、ほうじ茶も知られてきたという。ほうじ茶は香ばしくて飲みやすいので、初めての人でも抵抗がないのだろう。ほうじ茶にもわずかにカフェインが残っているらしいので、コーヒー、紅茶の代わりにもなる。
ほうじ茶は、茎などが含まれた緑茶の規格外品、「番外茶」を焙煎して作る。ほうじ茶を「番茶」と言う人がいるのはこのため。お茶屋さんの良い香りは、ほうじ茶を焙煎している匂いだ。

ほうじ茶は、焙烙(ほうろく)という素焼きの焙煎機を使って、自分で作ることもできる。お茶屋さんでほうじ茶にすると言えば、材料の番茶や焙烙が手に入ると思う。市販のほうじ茶も、焙烙で軽く焙煎し直してから煎れると格段に風味が良くなる。素焼きの焙烙の形も素朴で味わいがある。焙じた茶葉は筒状の持ち手から出す。茶道と違って、安いお茶を美味しく飲もうという庶民の知恵だ。風流とまでは行かないが、来客の前でひと手間かけて焙じて見せれば、立ち込める香りも何よりのもてなしになる。

こういうのは外国人が好きそうだ。まだ知られてないと思うが、そのうち海外で流行るかもしれない。

2 thoughts on “ほうじ茶と焙烙

  • 8月 26, 2025 at 11:34
    Permalink

    子供の頃から玉露を頂いていました。お隣のタバコ屋のお爺ちゃんが風流人でいつも箱火鉢の前に熊の毛皮の敷物に座り、ヒツジの毛皮のちゃんちゃんこを着ていて、行く度にお茶を入れてくれました。お湯を冷ましてから朱泥の急須で玉露を入れてくれるのです。それも小ぶりの朱泥の湯呑に半分ほど注いでくれるのです。さすがに正座して頂いていました。何も話さず、ただ黙々とお茶を入れてくれるのです。時々は裏の畑を耕したりもしていましたが、田舎の人の様に必死に労働はしませんでした。それよりも渡り廊下から池の鯉を眺めながら離れの自室で書を読んだりしていましたね。不思議と、会話をした事が無い茶飲み友達?でした。

    Reply
    • 8月 26, 2025 at 12:25
      Permalink

      良い玉露は格別ですね。濃いお茶が好きなのですが、玉露には普通のお茶をただ濃く出したような渋みがなく、甘みがあって格別です。私も周囲にお茶好きがいて、ぬるい湯でゆっくり出さないと玉露も本来の味にはならないと聞きました。ただ湯呑みが小さいのが不満で、寿司屋の湯のみで飲んでみたいものだと思います。寝られなくなるかもしれませんが。

      Reply

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です