パーカーソーラープローブが5番目の金星フライバイを達成

NASAの太陽観測宇宙船、Parker Solar Proveは、10月16日、金星の重力を利用したフライバイに成功した。今回のフライバイで、宇宙船は時速9,720キロメートル減速。前回8月のの太陽への接近時よりも190万キロメートル近づいた軌道をめざす。

惑星重力を使ったフライバイは、宇宙計画でも特にダイナミックな出来事だ。たとえばテーブルの上に惑星に見立てて円柱型の磁石を置き、その周りを宇宙船に見立てたパチンコ玉を転がす。すると磁石に近づく角度や速度の違いで、吸い付いてしまったり、そのまま直進したりするが、程よい加減で転がすと、磁石に引っ張られて角度を変え、別の方向に向かって転がっていく。これを宇宙的規模で行うのがフライバイだ。

今回は金星の重力を利用して宇宙船の速度を落とした。低速で近づけば磁石にくっつきやすくなるのと同じで、今回はよりスリリングなフライバイだったと言える。2017年の発射のさらに前から、2024年の計画終了まで、計7回のフライバイを計算してきたのかと思うと、気が遠くなるようだ。

https://blogs.nasa.gov/parkersolarprobe/2021/10/19/parker-solar-probe-completes-its-fifth-venus-flyby/

4 thoughts on “パーカーソーラープローブが5番目の金星フライバイを達成

  • 10月 25, 2021 at 09:43
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    両親が公務員だった竹馬の友が科学少年で、科学雑誌を定期購読していて、或る日コイルを一杯巻いて誘導電流などの実験をするのに自転車に接続して僕が実験台になって強烈にシビレれた事を思い出しました。そんな遊びや悪さばかりしていたので、何かあれば「あの二人だ!」と大人たちに目を付けられていました。後に彼は残念ながら科学者ではなく、放送局に就職しました。

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    • 10月 25, 2021 at 10:57
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      似たようなことをやってますね。私の場合は、ここにはちょっと書けない内容でしたが。友人氏も、自ら実験台になるようなら、今頃科学者でしたね。

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  • 10月 22, 2021 at 11:06
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    太陽に接近しての観測だけかと思っていましたが、今度は金星ですか。それも絶妙な計算でのコントロールのようですね。磁石での説明でよく理解できました。知りませんでしたが金星にも相当な引力があるんですね。きっと他の星にも有るんでしょうね。

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    • 10月 24, 2021 at 08:43
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      すでに何周かしてますが、毎回金星を利用して太陽に近づいていってます。子供時代にやったと思いますが、磁石でほどよく角度を変えるのは難しいですよね。そういうことを宇宙計画に利用しようと考えた人は、勉強だけでなく、子供時代によく遊んだ人だと思いますね。

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