ヒューマン・シグナリング

企業の電話相談窓口などで、「AIではなく、人間を出せ」と言われるようになったという。人間の場合にも言われるようで、わざと咳払いやクスクス笑いなどを入れてさりげなく人間であることを伝えるテクニックも生まれたそうだ。

咳払いやクスクス笑い、「うーん」「ええと」など、人間ならではの無意味な声のことをヒューマン・シグナリングというが、おそらく近いうちにこれのできるAIが登場すると思う。いろいろなクセのあるAIキャラクターが生まれて、販売されるようになるかもしれない。「含み笑いの山田」「しゃっくり小林」「フームの伊藤」「喘息の吉田」というように...。

CGで人物を作る際も同じような工夫がある。人間の顔は左右対称のようだが、どんなに整った顔の人でも目の大きさや位置が違ったり、口が曲がっていたりする。それを完璧にしてしまうと、見る側が美しさより非人間性を感じてしまう。逆にしわやシミのある老人の顔などは、手間は大変だが、仕上がりのリアリティがぐっと高くなる。欠点やコンプレックスと思ってるものも、他人からは個性と見られる。格好良くいうとそういうことが、人は他人のあら捜しばっかりしているとも言える。

2 thoughts on “ヒューマン・シグナリング

  • 7月 24, 2025 at 07:51
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    人間がAIの真似をする時代ですか?逆現象ですね。昔の人は気づかずに話す相手がAIだったり、AIと思えば人間だったりと不思議な時代に成りましたね。日ハムの新庄監督が、自軍選手がお立ち台で決まって『え~と・・・』とか『あの~ですね・・・』とか必ずいうので禁止にしました。今では各選手ともスッと本題に入る受け答えになりました。人間には皆んな癖があり、中々治らないものです。生前江戸っ子の母が言っていました『大阪出の人は東京でも絶対に東京弁を使わない。堂々と大阪弁で通すね』と。また、私が京都でタバコ屋に寄ると、オバちゃんが『あんた福井やろ?』と。ビックリ正解。福井の方言の見え分け方に感心して聞きました。『ところで?何で分かったの?』と、『この辺はな~繊維の街でな、福井出身者が多いんやで~』と。なるほど。

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    • 7月 24, 2025 at 08:42
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      タバコ屋のおばさんの読心術は、確率論だったと。かえってすごいですね。1日中通行人を眺めて暮らす仕事の人は、洞察力に優れていますね。以前、店の呼び込みをやってる人が、デパートが催事の紙バッグを配らなくなった、と言って景気の悪さを説明してくれました。昔のマーケティングは、数字と、こういう”ウォッチャー”の生の声を突き合わせて判断してました。なのでマーケ関係者は「蛇の道はヘビ」のような変わった人づき合いを大事にしてましたが、今は数字だけ見てるように思えます。

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