乾蕎麦の美味い茹で方

蕎麦好きには2タイプいる。1つ目はこだわり派。蕎麦は新蕎麦の挽きたて、打ち立てでなくてはと言い、つゆに否定的で塩や水で食べたりする人だ。そこまでいくと保健所か研究所の官能試験のようだ。もうひとつが大酒飲みならぬ「大蕎麦食い」。落語の蛇含草に登場するそば清さんのような人は昔からいたらしい。大盛り、大ざるしか注文したことがないというような人で、自分もそちらに近い。

で、本題だが、動画サイトに乾蕎麦の美味い茹で方がいくつかあった。ポイントは
・前もって水に漬けておく
・少量の油を入れて茹でる
・包装の目安の半分の時間で茹でてすぐ氷水で締める
というところだ。試してみると、水に漬けるとどうしても表面が溶け出して少々感じが悪いし、かなりもろくなり茹で湯に移すときに折れやすい。油を入れるのは理由がよくわからない。指定された半分の時間というのはあくまで目安で、自分の場合は芯が残った。などの不審点はあったが、氷水で締めた段階で表面のぬめりはとれ、乾麺ならではのざらつきはなくなり、口当たりが良くなったように思う。
機械乾燥で芯まで乾燥している乾蕎麦をそのまま柔らかくなるまで茹でると、表面が茹ですぎになってしまう。本来のポテンシャルが引き出せないので、先に水分を吸わせるということではないだろうか。
もちろんこだわり派が満足するようなものではないが、これは新しい美味の発見というより、とにかく蕎麦を食いたいそば清さんたちのための工夫だ。乾麺だからだめ、と言ってしまうとパスタやそうめんの立つ瀬がない。まだまだ旨く食べる工夫が足りないだけだと思う。せっかく(?)米の高騰で、米以外の主食に注目が集まってるのだから、乾麺メーカーの奮起に期待したい。

2 thoughts on “乾蕎麦の美味い茹で方

  • 4月 7, 2025 at 09:20
    Permalink

    故郷が蕎麦の産地でしたが子供の頃には蕎麦が不味いものだと思って居ました。叔父さんが得意で蕎麦打ちをして食べさせてくれました。所謂、田舎蕎麦と言う黒っぽくて太い蕎麦でした。籾殻から粉曳きまで時間がかかり、更に蕎麦打ちまで大変な作業です。ゆで方まで見ていませんでしたが?。手間暇かけて作ってくれたのに子供の頃はどうしても好きに成れませんでした。ところが青函連絡船への僅かな待ち時間に青森ターミナルで食べた立ち喰い蕎麦の味に驚きました。蕎麦って?こんなに美味いんだと。それ以来大好きになりました。田舎の家のそばに蕎麦道場があって観光バスも停まって蕎麦打ち体験をさせていましたから習って置けば良かったと後悔しています。昔は質素な食べ物だったのでしょうが、今やグルメですね。大阪や名古屋で故郷の蕎麦を売りにしている店を見つけると懐かしくて入ったものです。

    Reply
    • 4月 7, 2025 at 09:50
      Permalink

      蕎麦がうまいと思ったのは、確かに大人になってからですね。義母が蕎麦打ちの名人でこね鉢や麺切包丁まで持っていました。そして、教えてくれるだけでなく道具一式譲ってくれる事になったのですが、いざ継承の儀となって私が粉に水を入れた瞬間、鉢ごと取り上げられてしまい、以後、義母はその話はしなくなりました。ひと目でわかるほど見込みがなかったんでしょうね。名人だけに、許せない一線を超えていたのかもしれません。小麦粉ならいやというほど扱っていたのですが、そば打ちは全く違う世界なんだと思いますね。

      Reply

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です