日本の物流システムと不沈空母

その昔、物流業が使っている商品と車両の追跡システムを、自衛隊のロジスティクスに応用するシステムを考えたことがある。考えた、と言っても空想しただけだが。これは、平時から物流システム上で、実際の配送車両の他に自衛隊の運搬車両や特殊車両の仮想データを動かし、現実社会の道路の混み具合やコンディションなどに基づいた、データ上の演習を24時間し続けるというものだ。

さらに有事の際は最短区間の高速道路を最短時間通行止めにし、F35やオスプレイと、弾薬や燃料、交代パイロットなどがジャスト・イン・タイムで集合してすぐ解散させる。航空基地そのものを細分化して常時移動させ、相手の攻撃目標として固定させないということだ。以前から航空基地は滑走路に穴をあけられただけで飛行機が飛べなくなるのは不合理だと思っていたので、結構お気に入りのアイデアである。

だが、周囲には高齢者が多いので、この話をすると大顰蹙をかってしまう。そもそも防衛の話をすること自体が不謹慎と言わんばかりだ。かつて言われた「不沈空母」が良い意味で現実になると思うのだが、火に油を注ぐので言えない。単なる思考実験で、戦争映画を楽しむのと変わらないと思うのだが。

そんな中、ウクライナで「蜘蛛の巣作戦」が大成果をあげた。トレーラーに積んだ多数のドローンを目標近くで放出するというものだ。不沈空母システムを使えば、相手が仮に日本に上陸できても、そこらじゅうを走ってるトレーラーから、いつドローンが飛び出し来るかわからない。それ以上の侵攻は難しくなるだろう。そして、トレーラーをどうタイミングよく移動させられるかは、まさに物流システムのお家芸だ。しかもこれはAIのなかった時代に考えたことなので、いまならもっと効果的なシステムが作れるだろう。

4 thoughts on “日本の物流システムと不沈空母

  • 9月 2, 2025 at 06:42
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    有事にならないのが理想でしょうが、現に世界各地では現実として起きています。またキナ臭い状況は日本近海や空域にも現実として起きています。今のところ接近と威嚇で終わってはいますが、何時どうなるかは予測できません。理想論は正しく否定は出来ませんが、有事の際の方法論については声をあげられない戦争体験国の国民感情も有って全ては自衛隊任せになって居ます。かと言って国民すべてが自衛隊を理解しているかと言えば殆どの国民が実態を知ろうとしませんね。近所に孫の友達で自衛隊に志願した男児がいます。厳しい環境に自ら飛び込んだ大男の彼は自転車のロードレースで鍛えた体力で大丈夫だとは思いますが、環境が一変して絶えられているのかと心配です。彼は小学校の父兄参観日に先生から『君たちは将来何になりたいですか?』の質問に一番先に手をあげ起立して「自衛隊になりたいです!」と言って授業参観していた父兄がドット沸いたそうです。その親たちの笑いが何を意味しているかも疑問ですね。平和ボケなのか?それとも賞賛の意味なのか?思えば私が高校生の時校内放送で校長室に呼びだされて、恐る恐るドアを開けると、何と自衛隊幹部らしき来客と校長が待機していて、呉の航空自衛隊所属の音楽隊に誘われました。その時は吹奏楽をやって居て音楽部の部長もしていたので、そのルートでの勧誘だったのでしょう。自衛隊は考えていなかったので、即、隣の高校のバンド仲間を2名紹介して彼らは入隊しました。音楽隊と言えども3カ月間は迫撃砲の重い台座を担いでグランドを走ったり報復全身で射撃訓練などばかりで辛いと手紙が来ていましたが、数年後除隊して一人はバンドマン、もう一人は証券マンに変身しました。彼らは国を守るのでは無く隊員を鼓舞したりPR活動に駆り出されていたようです。自衛隊も戦闘員ばかりでは無いようですが、有事になれば楽器を銃に持ち変える事になるのでしょうね。

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    • 9月 2, 2025 at 10:55
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      平時の自衛隊員がきちんと訓練されていてし、兵器もちゃんと動くことを絶えず見せているから平和が維持されているのでしょう。日露戦争では、ロシアの軍艦の水兵の規律が乱れていて、使ってる石炭も品質が悪いことなどがしっかり観察されて、日本の作戦に生かされてしまいました。バルチック艦隊が精鋭だったら、日本海で迎え撃って叩きのめそうなどという作戦は立てなかったかもしれません。日本人の平和ボケも、海外から見れば国民が自衛隊や米軍に安心しきっていて、不安感などに付け入る隙がないと思わせる良い傾向だと思います。特に中国は「戦わずして勝つ」という孫子の兵法の国なので、実戦以前の陰謀や不安工作が大好きです。中国軍の示威活動におびえて日本の国論が真っ二つになんてことになれば、次々とうっとおしい嫌がらせをしてきます。もっともすでにうんざりするくらいメール攻撃が来てますが。

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  • 9月 2, 2025 at 06:10
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    私達は中学時代に社会見学の名目で重機の工場見学を石川県小松市に行った事がありました。そんな大企業の関連仕事を広告分野とは言え、後々携わるとは夢にも思いませんでしたが、何故か偶然にも主に業界紙に重機の新聞広告やカタログ製作など随分関係したものです。そのお陰でか?機械関係のスペックを見るのが平気に成り、その後の乗用車などの広告制作にも役立ったのです。重機の関係で知った情報では、有事の際には生産ラインが一転して戦車や装甲車の生産ラインに変更される仕組みになっているらしいのです。クルマの生産ラインも同じかも知れませんが、特に重機関係は国との結びつきが大きく表面上は隠れている別の姿が有るようです。そう言えば、表向きには見えない部分で戦車も製造しているらしく、余り公にはしていませんが、特機部門では戦車の車検整備や航空機(戦闘機)の整備も扱っているようです。自衛隊関係者の出入りも常時見られましたから絶えず有事には敏感な企業の様です。ちなみに戦車が工場に到着するとバラバラに解体され半年かけて整備されます。私が目撃した戦車には何と国の所有物にも関わらず、赤いペンキで大きくSEXと殴り書きされていて情けなく、愕然としました。演習現場は命がけで平常心では無いのでしょう。

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    • 9月 2, 2025 at 10:10
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      防衛産業は儲からないらしいですね。日本のためということでさんざん値切られる一方で、技術継承しなければならないので人員や設備を維持しなければならない。そのうえいざ有事となったら、銃弾などは全然足りないらしいです。だいたい一週間持ちこたえて、米軍の到着を待つ分しかないとか。平時の軍事力なんてそんなものなのでしょう。そのアメリカの援軍も、ウクライナが今回「金と武器だけ助けてくれれば、自分たちで戦う」と言ってしまったので、大国の日本が「米軍さん、戦ってください」と言いにくくなってしまいました。

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