今日は昭和の日

あれ?みどりの日じゃなかったっけ,と思って調べたら,そちらは5月4日.でもこの間まで,今日がみどりの日と呼ばれていて,その前の呼び名は天皇誕生日.年齢的には,こちらのほうがしっくり来る.

さて,昭和とバイオリンが関係する動画を探してみた.

昭和2年にデビューし,美貌の天才バイオリニストとして一世を風靡した,諏訪根自子(すわねじこ/本名:大賀根自子/そっちが芸名かい!)の,「美はしき天然」.
「美貌の」などという単語や,サーカスのジンタとチンドン屋でおなじみのメロディに,あふれる昭和感をご堪能いただきたい.さすがに私も知らない人だが,なんと昭和のすべての時間を生き抜き,ついこのあいだ2012年に亡くなられている.

ちなみに昭和の「昭」の字.今では当たり前のように使われているが,元号発表の時には,ほとんどの日本人が知らない超難読漢字だったそうだ.

次回「OLDBADなこどもの日」(5/5)公開予定
乞うご期待

 

リズムとズレ

三拍子と2拍の手拍子アフリカの子どもたちに三拍子の曲を聴かせると,二拍の手拍子を叩く.曲が「1.2.3.1.2.3.」とリズムをとる間を,「1.2.1.2.」のタイミングで手拍子を入れる.音そのものではなく,曲と手拍子がぴったり一致しないことでできる微妙なタイミングのズレが,アフリカ人にとっての「リズム」そのものなのだそうだ.
この感覚は言葉で説明しにくいが,ちょっと試してみるとすぐわかる.口で「1.2.3.1.2.3」と言いながら,二拍の手拍子を叩くと,そこに何とも言えないノリというか,緊張感が生まれる.三拍子の曲に合わせて三拍の手拍子を叩いても,この感覚は味わえない.

昔から,二拍子や四拍子は,歩くリズムだから体に染み付いている自然なリズムだが,三拍子という割り切れないリズムが,なぜ無理なく聞こえるのか不思議だったが,これは心臓の脈拍なのだそうだ.「心臓がドキドキする」という言い方をするが,実際の心音は「ドッキドッキ」という,三拍の真ん中を抜いたような三拍子を刻んでいる.心臓の筋肉が全身に血液を送り出す時の,やや時間をかけてギュッと絞りだす動き.逆に心臓に血液が流れこむ時の,一瞬の動き.心音は,その動きに合わせて動く心臓の弁の音なので,自然に三拍子を刻んでしまう.
そして,心臓が三拍子を刻むと同時に,足が二拍子をとる.心臓を動かしながら歩き続けるのが,人間の基本的なリズムだと,アフリカ人は考える.だから上述のような手拍子を合わせるのだ.あまりバイオリンには関係がないようだが,アフリカのリズムは,ジャズのスゥイング感になって,多くのポピュラーミュージックに影響を与えている.ポピュラー曲を弾くときは,譜面通りではなく,このスゥイング感を盛り込んでいかないとさまにならないことが多い.

カテゴリー アフリカのリズム

バイオリンと戦略

戦略と戦術はどう違うのか.というテーマが,経営者仲間や得意先とときどき話題になる.「戦略上の失敗は,戦術的な努力では補えない」とか,「戦略的に負けた側は,なぜ負けたかも理解できないうちに負ける」などと言われるほど重要なものだが,人によって定義は違うらしいし,戦略らしい戦略を持ってる会社は少ないものらしい.私は,意見を求められた時には,こう答えてきた.

ある町にコックさんが二人,近くに同時に洋食店を開いた.どちらもメニューやサービスに工夫をこらして頑張るのだが,さらにA店は,開店と同時にバイオリンの練習を始めた.3年後A店は店主が店頭でバイオリンを弾いて客引きし,カップルや誕生日にはテーブルで演奏したので,そのことが話題になって客足が増えた.これを見てB店がバイオリンをはじめても3年間の差は追いつかないし,やっても二番煎じにしか見られない.プロを頼めばA店と同じ程度に持ち直すかもしれないが,コストが経営の負担になる.

コックさんとバイオリンという,できるだけかけ離れたものを例にして,どんな小さなビジネスにも戦略はあり,他の上手くいってる手法を真似すると,たいてい誰かの思う壺になることを言いたかったのだが,何回か話しているうちに,実際にやってみたくなったというわけである.

ちなみにバイオリンを弾くコックさんというのは,ディズニー映画「わんわん物語」の中の,「ベラノッテ」の名シーンからとったつもりだったが,動画を探すとアコーディオンとマンドリンだった.何かしゃべる前にググれと,若い人に言われるかもしれない.

次回「リズムとズレ」(4/25)公開予定
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