光コラボ

最近,光コラボのセールス電話が多い.NTTが光ケーブルの販売を自由化し,通信各社が携帯などのサイービスと抱合せで低価格で販売できるようになったらしいが,うさんくさいので断ることにしている.断り方は「NTTさんとお取引をいただいているので」.これはウソではなく,1回線分とは言え,契約を結んで取引をしていることは間違いない.これで大体引き下がってくれる.
私はダイヤルアップの時代から,とにかく早い回線へと乗り換えてきたので,さらに速度が出るサービスというならまだしも,単に安くなるだけではメリットを感じない.光コラボでは,NTTは光回線の卸としてコラボ各社と回線を提供することになるが,それだと従来の回線数より多めに卸していてもわからない.設備に手をつけないで契約だけ増やせば混雑してスピードが遅くなるが,実際コラボを契約してから遅くなったという例が相次いでいる.何より不可解なのは,一度コラボ契約を結んだらNTTとのフレッツ契約に戻れないという点だ.コラボ企業同士への乗り換えもできないらしい.NTTではいまだにフレッツを募集しているだけに,契約の考え方としておかしいような気もする.電話口で返事するだけで契約が切り替わるそうなので,言葉尻をとられないよう,コラボ業者の電話には気をつけている.

江差追分

これまでに2度,江差追分の取材をしたことがある.江差追分は北海道を代表する民謡だが,日本中に愛好者がいて,江差追分だけの全国大会が開かれている.民謡の王様という人もいる.特色は,と言えるほど知識がないが,なんと言っても息継ぎの少なさが印象的だ.聞けば分かる通り,掛け声と掛け声の間は,息継ぎ無しで歌いきらなければならない.

江差追分は,江戸時代の寛永年間,座頭の佐之市が信州の追分節をもとにして作ったといわれている.ニシン漁で栄えた江差の花街で,お座敷芸として伝わってきたらしい.民謡というと労働歌が長い年月をかけて,歌い継がれて現在の形になったように思えるが,江差追分は一人の天才が作り出したものだ.しかも元歌はともかく,お座敷芸であって,労働歌ではないという.

これは意外なようで,当然のことかもしれない.そもそもこんな息継ぎのない歌を,作業しながら歌えるわけがない.漁業ならなおさら,そんな悠長なことをしている暇も体力もないはずだ.なにより親方に殴られてしまうだろう.また船の上より,人の集まる花街で大流行して,多くの人とが聞いたから今も残っているという方が自然だ.そう思うと他の民謡も,名前が知られていないだけである日突然天才が作り出し,都会で広まったもののほうが多いのかもしれない.人のやることで,自然発生などありえないのだし.

現代人は伝統文化から切り離されて生活していて,それを敢えて残そうなどとは考えない.一方で目の前のカッコイイことに飛びついて,すぐマネをする.がこれは大昔から,どの時代の人も同じだろう.もしかしたら竪穴式住居でも,縄文式土器でも,誰かが一代のうちに作り上げたものが流行し,次の天才が新しい様式を作り出すまで作り続けられたのかもしれない.

次回「クリスマス・ソング・ア・ラ・カルト」(12/2公開予定)

美食倶楽部(広告)

数年前から,bishoku.clubというドメインを持っている。言うまでもなく,日本が誇る芸術家にして美食家,北大路魯山人が主催した「美食倶楽部」にちなむドメインである.独自ドメインという性質上,ネット上でこのドメインを使えるのは私しかいない.試しに検索したら取れてしまったので,これはラッキーとばかりにネットで公開し,買い手を募集してきた.だが,打診どころかアクセス数もなかなか伸びない.本当はドメイン市場に出したり,ブログを書いてアクセス数を獲得しておくべきなのかもしれないが,できれば縁のある人に譲りたいし,手垢のついたものはいやだろうと,トップページだけで放置してきた.待つだけだから手間もかからないし,サーバーも自前のものだから経費も知れているのだが,最近は,そのうち放棄するんだろうなと考えていた.

が,ここに来てアクセスが増えてきた.残念なことに海外からがほとんどであるが,ロボットなどではない.せっかく和食が世界遺産になったのだから,私としては日本人に買ってほしかった.が,どこぞの景気の良い国からとんでもないオファーが来れば,私とてホイホイ売ってしまうだろう.ネットビジネスでの日本の立ち遅れというのは,こういうところにも表れている.

まだはっきり値段を決めてはいないので,早いうちに申し出てくれた人には,おそらく後から後悔するような安値で売ってしまうだろう.そして,二度と手にはいらないような価格で取引されるに違いない.

その名を許されるただ一店のために BISHOKU.CLUB

野心的な味覚のプロフェッショナルのお申し出をお待ちしております.